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 これまでのようにiOSのアプリを開発しているソフト開発者も、App Storeのテコ入れで再びアプリビジネスのチャンスが巡ってきそうだ。かな漢字変換プログラムや画像処理フィルターといった機能拡張やプラグインの開発が本業で、これまでApp Storeゴールドラッシュの恩恵を受けられなかった人も、今回の「機能拡張」解禁により恩恵を受けられる可能性があるからだ。

 それに加えて、iPhoneやiPad用のハードウエア開発をビジネスにしている企業や、そうしたハード用にドライバーなどのソフトを開発している人たちも、今、最も勢いがありながら混沌としていたヘルスケア分野とホームオートメーション分野で、アップルがiOSをベースにした新しい標準を提示したことで、これからさらに開発の盛り上がりが期待できる。

 開発者だけでなく、今、急速に伸びているiPadのビジネス活用を推進するシステムインテグレーター(SIer)や電話会社の法人営業部隊も、iOSのエンタープライズ向け機能の大幅強化で新しいチャンスが巡ってくる。

 これだけのゴールドラッシュを同時に仕掛けてきたことで、これからiOS機器の生態系にどのような変化が及ぶのか、正直、全体像を予想するのは難しいが、今回のWWDCでの発表が、これから4~5年のスマートフォン/タブレット市場の大きなトレンドをつくることは明白だ。

 今回の発表は、一部で勝手に噂されていた新型iPhoneの発表やiWatchの発表よりも、我々の未来の暮らしぶりや社会に対してはるかに大きなインパクトを持つ内容で、ある意味、アップルから開発者に向けての「一緒に未来をつくっていこう」というラブコールだったとも言える。

 このような発表をする場所は、WWDCをおいて他にはない。そう考えると、実に素晴らしい発表内容だったのではないかと改めて思えてくる。

 以下では、個々の発表を、もう少しだけ詳しく振り返ってみよう。