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 ロート製薬は、社内サーバーの「Amazon Web Services (AWS)」への移行を進めている。今はシステム基盤の第一選択肢をAWSとする「クラウドファースト」を実践する同社。しかし、クラウドの本格導入を開始するまでには4年の検討期間を要した。ロート製薬がクラウドファーストへと至った過程を詳しく見ていこう。

 ロート製薬は2012年から、システム基盤の第一の選択肢をパブリッククラウドとする「クラウドファースト」を実践する。その方針は至ってシンプルだ。同社情報システム部の古川尚良部長は、「業務システムで使用するサーバーはハードウエアの保守期限が切れたものから順次、『Amazon WebServices(AWS)』へと移行する。規制上や性能上の理由でAWSに移行できないサーバーのみ、オンプレミスに残す」と語る。

 もっとも、同社がクラウドファーストに至るまでには様々な試行錯誤があった。同社がクラウドの導入を検討し始めたのは2009年で、実際にAWSを利用し始めたのは2012年である。導入までに4年を要したのには、二つの理由がある。一つは自社の条件に合うクラウドになかなか出会えなかったこと。もう一つは、2011年3月に東日本大震災が発生したため、クラウド導入よりもBCP(事業継続計画)対策を優先せざるを得なくなったことである。

 またクラウドファーストを掲げる同社ではあるが、会計、生産、販売をつかさどる基幹系システムに関しては、今後3~4年間は自社内(オンプレミス)に残す予定だ。

 ロート製薬はどのような経緯でクラウド導入を決断し、現在のシステムに落ち着いたのか。以下、ロート製薬の歩みを時系列に沿って説明する(図1)。

図1●ロート製薬のクラウド移行年表
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