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期待外れだった初期のサービス

 ロート製薬がクラウドの導入を検討し始めたのは、2009年1月のこと。新聞や雑誌などでクラウドの話題を知り、「『自社でサーバーを持たずにインターネット経由で利用すればいい』という発想に刺激を受けた」と古川部長は振り返る。

 2009年にまず検討したのは「GoogleApps」だった。Google Appsを利用するユーザー企業の情報システム部長に実際に話を聞いてみて、コスト削減やBCP対策に効果があることを実感できたからだという。

 しかしGoogle Appsは、同社が利用する「Exchange Server 2003」と機能差が大きかったため導入を断念した。「当社にはExchange Server 2003に依存する業務フローが多数存在するため、移行を強いるのは困難だと判断した」(古川部長)。ただ、海外子会社などで利用するには十分な機能を備えていたので、部分的には導入した。

 2010年になると、多くの国内ベンダーがIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を開始したので、それらも試してみた。しかし導入は見送った。「品質面は十分だったがコストが高すぎた。また仮想マシンを追加する場合などに、営業担当者に電話をする必要があるなど、手続きが非常に煩雑だった」(古川部長)。

 古川部長がクラウドの導入効果として求めていたのは、ビジネスのスピードアップ。「必要な時にすぐに使えて、不要になったらすぐに使用を停止できるというクラウドのうたい文句に、大きな魅力を感じていた」。しかし当時の国内ベンダーが提供するIaaSは、この条件を満たしていなかった。

 AWSについては、価格や手続きの面では条件を満たしていたが、当時は国内にデータセンター(DC)が無かったので、遅延(レイテンシー)が大きく、導入を見送ったという。