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 待機系の構築に当たっては、バックアップの仕組みに工夫を凝らした。サーバーのディスクボリュームの内容をそのままコピーする「イメージバックアップ」を導入したのだ。具体的には、バックアップアプライアンス「FalconStor CDP」を使用し、1日1回、イメージバックアップを行う(図3)。バックアップデータは、外部委託DCにあるアプライアンスとの間で同期している。

図3●イメージバックアップを活用するバックアップ体制
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 イメージバックアップの利点は、バックアップしたディスクイメージから、元のサーバーの状態をそのまま復元できる点だ。サーバーの復元に際して、OSやミドルウエア、アプリケーションなどをインストールし直す必要は無い。「災害発生時には、当社の情報システム部員だけでシステムを復元する必要がある。そのため復旧手順がシンプルなイメージバックアップを選択した」(古川部長)。バックアップシステムの構築はパナソニックソリューションテクノロジーが担当した。

AWSへの全面移行を決断

 ロート製薬がBCP対策に専念している間に、日本のクラウド市場は大きく変わっていた。AWSが2011年3月に「東京リージョン」を開設したためだ。これにより、遅延の問題は解消された。

 そこで同社は2012年に、AWSへの全面移行を決断した。その理由には、遅延の解消以外にも大きく四つある。