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 一つめの理由は、前述のイメージバックアップを使ったバックアップに、AWSが対応していること。これにより、“セルフサービス”で復旧が可能になる。二つめがコストが低いこと、三つめがBCP対策を強化できるということだ。コストとBCP対策の二つは、密接に関係している。

 ロート製薬が試算したところ、社内で運用するサーバーをAWSに移行すると、サーバーの調達コストや運用コストを50%以上削減できることが分かった。それでも同社はAWS移行によってコストを半分にするのではなく、稼働するサーバーの台数を2倍にして可用性を高める道を選んだ。そのための仕組みをAWSが用意していたからだ。

 ロート製薬が使用するAWSの東京リージョンには、物理的に異なるDCである「アベイラビリティーゾーン(AZ)」が三つある。サーバーをクラスター構成にして異なる二つのAZで同時に運用すれば、一つのAZがダウンしたとしても、もう一方のAZで処理を継続できる。サーバーは2倍必要だが、可用性も2倍になる。「AWSはコストが低いので、従来と同じコストでBCP対策を強化できた」(古川部長)ということだ。

 AWSで使用する仮想マシンのディスクイメージ(AMI)も、毎日バックアップしている。将来的にはバックアップデータをAWSの「シンガポールリージョン」に転送しておき、いざというときにシンガポールでシステムを復旧できるようにする計画だという。

 四つめの理由は、時間課金で利用できること。「業務システムのサーバーの中には、24時間連続稼働する必要が無いものが多い。不要な時間帯はサーバーを停止すれば、その分、コストを削減できる」(古川部長)。

 実際にロート製薬では既存システムをAWSへ移行する際に、利用部門との間のSLA(サービス・レベル・アグリーメント)を見直し、サーバーを稼働する必要が無い時間帯を明確に定義するようにしている。例えば過去の販売データを基にした需要予測システムなどは、夜間のバッチ処理の間だけ、サーバーを稼働するようにした。