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 AWSへの移行にあたっては、クラウド専業のシステムインテグレータであるサーバーワークスのコンサルティングサービスを利用した。「複数のAZでサーバーをクラスター構成にしたり、サーバーの起動や停止を自動化するスクリプトを組んだりするためには、AWS上でのシステム構築経験が豊富なパートナーの手助けが必要だと判断した」(古川部長)ためだ。

基幹系の新OS検証にAWSを活用

 クラウドファーストではあるが、いくつかのシステムは社内に残す。例えば、医薬品の製造に関連するシステムは、規制上の問題からオンプレミスで運用する。製造ラインの管理システムなど、セキュリティ上の理由でネットに接続できないものも社内に残す。

 会計、生産、販売からなる基幹系システムも、当面はオンプレミスで運用する。同社の基幹系は「Windows Server 2003」で稼働しており、2015年7月でサポートが切れる。基幹系にとって急務なのはOSの更新であり、OSの更新とAWS移行を同時に進めるのは難しいと判断した。

 基幹系OSの更新では、AWSを大いに活用した。ロート製薬ではOSの移行先として、「Windows Server 2008 32ビット版」 「同64ビット版」 「Windows Server 2008 R2 32ビット版」の三つのバージョンを検討した。これらの動作検証に、AWSを利用したのだ。

 「本来であれば検証環境の構築だけで6000万円もの投資が必要になるところだったが、AWSを活用することでその必要がなくなった」(古川部長)。

 検証の結果、基幹系の移行先としては、Windows Server 2008 32ビット版を選んだ。64ビット版では既存のアプリケーションの修正が必要になることが分かったほか、Windows Server 2008 R2以降では「Oracle Database」のアップグレードも必要だったためだ。新システムは2014年内に稼働する予定である。