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 多くのITエンジニアが抱く五つの疑問を、トップアーキテクト8人にぶつけた。長年の現場経験、培ったスキル、揺るぎない自信に裏打ちされた回答から、ITアーキテクトになるヒントをつかんでほしい。

「大きな絵」を描き
技術を当てはめる

Q. 最新技術を追い続けるには?

榊原 彰 氏
日本IBM スマーター・シティー事業 CTO IBMディスティングイッシュトエンジニア 技術理事

 私が使う方法は、目指すビジョンである「大きな絵」を描き、その構成要素に最新技術を当てはめていくというものです。目的と結び付けて分類することで、技術を理解しやすくなります。

 現在担当している、ITを駆使した都市計画「スマーター・シティー」を例に、その手順を紹介しましょう。

 まず大きな絵を描きます。「最新ITを駆使して、より効率的に、限りある資源の利用を最適化しつつ、都市が求める便利で暮らしやすい環境を目指す=スマーター・シティー」とします。

 次に大きな絵を構成する要素を洗い出し、思考の枠組みを作ります。スマーター・シティーの構成要素として、「データを発生させる」「データを収集する」「データを解析する」「解析結果をシミュレーションや予防に活用する」「活用した結果をモニタリングする」などが考えられます。

 続いて、新しい技術が、あるいは新しい技術と別の技術の組み合わせが、上述のどの構成要素に当てはまるのかを検討し、分類していきます。

 分類する際に意識したいのは、具体的な利用シーンと結び付けることです。「データを収集する」に該当する技術といっても、データの種類や収集タイミングなどによって、最適な技術は変わるからです。

 データの種類であれば、映像、GPS(全地球測位システム)データ、道路に設置されたITS(高度道路交通システム)のセンサーからのデータなどが想定できます。データの収集タイミングにはリアルタイムかバッチかといった違いがあります。そこで、「この技術はデータを収集するためのもので、特にセンサーのデータ収集に適する」といった具合に考えるわけです。

 いったん分類した後も、時折分類を見直します。当初はクライアント向けの技術で、サーバーにも活用が進んだJavaScriptのように、技術の発展によって適用範囲が変わる場合があるからです。