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 トップアーキテクトのやり甲斐は、優れたシステムを開発することだけでない。新しいクラウドのアーキテクチャーを作り出す、モデリングによって業務変革を提案する─。2人のトップアーキテクトがやり甲斐を感じながら邁進する仕事を紹介する。

もっと簡単に使える
次世代のクラウドを作る

中川 郁夫 氏
インテック 先端技術研究所 主席研究員。スケールアウト型のプラットフォームを研究開発し、「EXAGE / Storage」のアーキテクチャーを設計。2012年から大阪大学 サイバーメディアセンター 准教授を兼任

 「これから必要になる技術や仕組みを自分で考えて作る。これがITアーキテクトとしてのやり甲斐だ」―。

 こう語るのは、インテックの中川郁夫氏(先端技術研究所 主席研究員)である。その言葉通り、中川氏は2000年代初め、インターネットの基幹網向けのある技術を世界に先駆け開発するなど、新しい仕組みを作り出してきた。

 そんな中川氏が新たな挑戦に踏み出すきっかけとなったのは、2006年ごろ、米Googleの「Google File System」や「MapReduce」に関する論文を読み、衝撃を受けたことである。「安価なPCを多数並べてファイルシステムを作る発想が斬新だった」(中川氏)。

 「これからクラウド関連の新技術が次々と登場し、時代が変わる」と確信した中川氏は、PaaSミドルウエア「EXAGEエクセージ」などを開発。現在は、M2M(Machine to Machine)の普及を見据えた、クラウドの新しいアーキテクチャーを開発している。

 中川氏の目には、現状のPaaSやIaaSは「過渡期のもの」と映る。スマートデバイスやセンサーといった端末側のアプリを開発する際、サーバーやデータベースなどのリソースはクラウド上にありインターネット越しで利用する、ということを考えて開発する必要があるからだ。

 中川氏は東京大学と共同で、クラウド上のリソースが、あたかも端末のローカルにあるかのように利用できるアーキテクチャーの開発に挑んでいる(図1)。特に端末が非力なM2Mなどに向く「次世代のクラウド」といえるもので、サーバーのスケールアウトとフェールオーバー、データのレプリケーションなどをクラウド側で自動実行する。これにより、端末アプリの開発を大幅に効率化できるという。

図1●クラウド上のリソース活用がさらに簡単になるアーキテクチャー
図1●クラウド上のリソース活用がさらに簡単になるアーキテクチャー
インテックの中川郁夫氏は、東京大学 教授の江崎 浩氏と共同で次世代のクラウドを開発している
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 「クラウドは劇的に変わる」と中川氏は力を込める。