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 ITアーキテクトを目指す上で、若手のころ、20代、30代前半、30代後半という年代に応じて習得しておきたいことがある(図1)。筆者の経験および最近の潮流を踏まえアドバイスしたい。

図1●筆者が30代までにやってよかったこと
図1●筆者が30代までにやってよかったこと
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20代
シンプルな設計を身に付ける

熊谷 宏樹 氏
TIS コーポレート本部 戦略技術センター フェロー。2012年、TISで初めて技術系職務の社内最高位であるフェローに就任。情報サービス産業協会(JISA)「ITアーキテクトコミュニティ」のメンバーでもある

 まず20代。基礎体力をつけ、ITに関する基礎固めをする時期である。できるだけ幅広く技術を知り、システムを構築する上で必要な技術要素の全体像を理解する。コンピュータの基礎(クラウド技術を含む)、DB、セキュリティ、ネットワークなどが挙げられる。

 プログラミング技術(言語)も押さえたい。多くの言語を幅広く知るより、特定の言語に集中して深い知識を獲得しよう。そのためにお薦めしたいのが、良質なコードを読むことだ。良質なコードは模範解答。その言語でシンプルに機能を実装するにはどう記述するかが分かる。

 良質なコードは、「優秀」と評されるエンジニアに見せてもらおう。オープンソースという良い勉強材料もある。良質なコードに触れることで、一人よがりな価値基準をなくし、柔軟に技術に向き合う姿勢が身に付く。

 プログラミング技術を向上させるには、鍛錬が必要である。一度作ったプログラムを見直す「リファクタリング」の機会を持つことが非常に重要だ。実際のシステム構築プロジェクトでリファクタリングをする機会がなければ、別途、自分で実践しよう。

 リファクタリングに限らず、20代のころは、異なる形態のシステムの開発を経験するより、同一形態のシステムを継続して開発するほうが技術レベルは向上する。それは、自分の仕事を振り返る機会に恵まれ、改善する習慣が身に付くからである。このような経験を積むことで、ITアーキテクトにとってのセオリーの一つ「シンプルな設計をする」という考え方を身に付けたい。