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 前回は、AgIC Printのもつインパクトの大きさについてAgIC代表取締役社長の清水信哉氏に話を聞いた。今回は先進技術をビジネスとして立ち上げた経緯についてより詳しく語ってもらった。

 立ち上げまでの経緯を時系列にまとめると、以下の通りだ。

 2年前、清水氏の恩師である川原圭博准教授が学会で日本のインクメーカーの技術者と出会い、この技術を使って安価なセンサーネットワークのノードを製作することができるのではないかと考え、共同研究が始まった。速乾性のある特殊なインクと出会うことで、研究は大きく前進したのである。

 2013年11月、ボストンに短期留学していた清水氏は恩師のもとへ遊びに行き、この新技術の話を耳にする。今回はその続きだ。

「ちょうどその時、知り合いの杉本(後にAgICの共同創業者となる)が、facebookで『EX1』(写真1)という電子回路の3Dプリンタの記事をシェアして、すごいって言ってたんです。私はそこに「いや、もっとすごい技術がある、川原先生が研究しているプリンタの方が、高速だし、高性能だし、安くできる」とコメントしたんですよ」
 杉本氏は、すでにベンチャーの立ち上げを経験していた。

写真1●AgIC設立の動機付けともなったKickstarterの『EX1』のページ。137,356ドルの支援を獲得している。
写真1●AgIC設立の動機付けともなったKickstarterの『EX1』のページ。137,356ドルの支援を獲得している。
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 EX1は世界最大規模のクラウドファンディングプラットホームである「Kickstarter」で一千万円以上の資金を獲得していた。それなら、この技術もいけるんじゃないか? ふたりは直感を現実に移すことにした。

 ベンチャー企業の創業である。