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 「なぜグーグルが、スパコンの権威をヘッドハントするのか――」。

 米エヌビディアのTesla部門CTO(最高技術責任者)、スティーブ・スコット氏が2013年8月に米グーグルへ移籍したことに、IT業界の関係者は首をひねった。

 実はグーグルは近年、HPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)の応用へ最もアグレッシブに動く企業の1社である。2012年には、1万6000コアから成るPCクラスターを使い、YouTube上の大量の画像から「猫」を識別するアルゴリズムを自動生成することに成功した。人間から「これは猫だ」と教示を受けることなく、猫の概念をコンピュータ自ら作り出した。「ディープラーニング」と呼ばれる、機械学習の一分野を応用したものである。

 ディープラーニングの高速化には、GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)アクセラレーターの活用が有効であることが分かっている。GPUベンダーであるエヌビディア幹部の採用は、機械学習に投資するグーグルの戦略と整合する。

 ヘッドハントに続き、グーグルはHPCの雄である米IBMともタッグを組む。x86プロセッサに代わり、IBMのPOWERプロセッサで次世代データセンターを構築する業界団体OpenPOWER Consortium(現:OpenPOWER Foundation)を2013年に共同で立ち上げた。