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 パソコンの商戦期は年に3回ある。春の新生活シーズン向け、夏冬のボーナス期だ。この商戦期に向けて国内のパソコンメーカー各社が新製品を発表する。この数年、パソコンの販売台数が減って、これといった話題性のある製品も登場しなくなり、どんどん負のスパイラルに踏み込んでいる。それでも商戦期はあるし、新製品は投入されてきた。しかし、さすがに今年の秋冬は相当に厳しく、価格以外に期待できるものがない気がしてきた。

 その負のスパイラルを加速したのがメーカーの撤退だ。日立やシャープがパソコンから撤退して、今年はソニーが抜けた。抜けたといっても「VAIO」が設立されたので、完全になくなるわけではないが、明らかに製品は減少する(関連記事:VAIO株式会社が設立会見、今後は法人向け展開にも注力)。

 それでも、価格の面で期待できるなら、いいのかもしれない。安くなる要素はいくつかあって、この春にマイクロソフトが発表したWindowsのライセンス料を無料にするというものがその筆頭だ。Bingを既定の検索エンジンとして設定することを条件にした「Windows 8.1 with Bing」を無償かほぼそれに近い価格で提供するもので、搭載した製品も出荷が始まり、確かに安くなっている。

 そして、もう一つ、安くなる可能性が見えたのがOfficeの扱いだ。日本マイクロソフトは、2014年7月2日、経営方針の説明の中で、クラウド型のOfficeサービス『Office 365』を、日本市場に最適化したうえで一般消費者向けに提供開始するとしたのだ(関連記事:「Windowsタブレットのシェアを50%超に」日本MSが経営方針説明)。一般消費者向けの「Office 365」が登場すると、プリインストール版のOfficeの意味があまりなくなってくる。ライターの山田祥平氏によるとOfficeのプリインストールがなくなることで「PC各社はPC販売時の原価コストを、今よりも安くできるほか、製品のモデルラインアップも減らすことができるようになる」としている(関連記事:Office 365の個人向けサービス開始で様変わりする市販パソコン)。

 一方で、一般消費者向けの「Office 365」が登場するということは、日本でもiPad版のOfficeが登場することも意味する。iPad版Officeは、日本以外では使用できるが、日本国内では一般消費者向けのサブスクリプションモデルがないため、見送られている(関連記事:本当に待ち遠しい、Office for iPadの日本国内発売)。そうなると、iPadのビジネス利用が加速されることになるのだが、「Windowsタブレットのシェアを50%超に」とする日本マイクロソフトの施策と明らかにぶつかることになる。はたして、日本マイクロソフトはどのように最適化した「Office 365」を投入するのか、ぜひとも注目しておきたい。