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 7月9日、日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会(JUMP)が、マイナンバーの医療分野での利用を強く訴えた(関連記事:医療マイナンバーの活用を強く主張、日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会(JUMP)が会見)。今年度から自治体でのシステム整備が本格化するマイナンバー制度は、2015年10月には個人への番号の通知が始まり、2016年1月からスタートする。

 ご存じのように、マイナンバーの利用分野は、当初は税と社会保障、災害対策の3分野に限られる。2015年10月の法施行後3年をめどに、「個人番号の利用範囲の拡大」が検討されることになっている。つまり、つまり少なくとも、2018年10月までは他分野での利用はない、というわけだ(関連記事:パーソナルデータ法改正、マイナンバー制度、求められる「民間力」はこれだ)。

 しかしJUMPは、早急な医療用マイナンバー、あるいはこれにひも付いた医療用連携符号の導入を提言している。なぜなら、導入によって特にコスト削減の面で大きな効果が見込めるからだ。

 医療費を含む社会保障費は、31兆円と過去最高を記録。すぐにでも手を打たなければならない状況になっている。JUMPは、電子お薬手帳などによる75歳以上の高齢者の薬の飲み残し削減(推定年475億円)、重複投薬の適正化(年間1400万件、院外処方の2~3%)、創薬・治験での被験者選出の際の精度向上と最適化(1治験当たり5~15億円)、人工透析患者を20%減で年間350億円の医療費削減など、予想される効果を列挙している。

 ここでスケジュールについて考えてみた。2018年10月をめどに拡大を検討する、ということは、拡大適用分野が決まって、調達をして、システム構築をして……実際の活用はまたその数年先になってしまう。2020年代になってやっと何とかなる、という感じだ。

 これでは遅すぎるのでは、と思っていたら、6月に閣議決定された新しい「世界最先端IT国家創造宣言」では、マイナンバーの利用範囲の拡大や制度基盤の活用として、特に(1)戸籍事務、(2)旅券事務、(3)預貯金口座への付番、(4)医療・介護・健康情報の管理・連携、(5)自動車検査登録事務――の5分野を取り上げ、検討状況を2014年秋までに政府CIOに報告することになっているようだ(関連記事:“番号ウサギ”はマイナンバーの「今」と「次」の課題を跳び越えられるか)。特に医療・介護分野では、時間の余裕はない。2018年まで待つことなく、マイナンバー導入前でも新分野への活用を決めてしまうような、強いリーダーシップが欲しいところだ。