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 佐賀県教育委員会が県立高校1年生全員に導入したキーボード付きタブレットPCで2014年4月、一部の教材ソフトがダウンロードできない不具合が生じた。全国でも初めて「1人1台タブレットPC」を導入した佐賀県が遭遇したトラブルは、ささいな障害にみえる一方で、教育ICTを推進する他の自治体にとって貴重な教訓を含んでいる。

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写真1●佐賀県立高校の高校生1年に配備されたキーボード脱着型タブレットPC。WordやExcelの入力ではキーボードを使った方が便利

 佐賀県教委の福田孝義副教育長によれば、ダウンロードでトラブルが発生したのは2014年4月下旬。大手出版社2社が提供した副教材ソフトウエアを、授業中に生徒が一斉にダウンロードしたところ、一部の生徒は授業時間中に処理が完了せず、授業に使えなかった。最終的に、ダウンロードエラーになったケースもあったという。その教材の容量が、動画を含めて数Gバイトと大きかったのが原因とみられる。

 こうしたケースが複数の学校から報告されたことから、佐賀県教委は2014年4月末、県内30以上の高校に対して該当する教材のダウンロードを止めるよう通知。これらの学校は、プリント教材などを使った従来通りの授業を行うことで対処した。

 佐賀県教委は、複数の教材会社と対応を協議。教材の提供方法を変更し、容量の大きい教材はUSBメモリーで配布する、教材を小分けに再パッケージ化するなどの措置を取った。すべての副教材をPCに導入し、当初の想定通りのやり方で授業を始めることができたのは、5月末だったという。

 文部科学省は、2020年をめどに、タブレットPCなどの情報端末を生徒1人1台配備することを目指している。その点で佐賀県のトラブルは、今後どの自治体でも起こりえるものだ。以下、佐賀県が「1人1台の情報端末」の導入に至った経緯と、トラブルの背後にある教育ICTの課題を明らかにする。