これからの時代はソフトウエアだけでも、サービスだけでも、ユーザーの要求は満たせない。どちらか片方だけだと必ず何らかの制限が生じる。だからこそマイクロソフトは、ソフトウエア+サービスというアプローチを提唱している。

写真●米マイクロソフトのチャールズ・フィッツジェラルド ゼネラルマネジャー
写真●米マイクロソフトのチャールズ・フィッツジェラルド ゼネラルマネジャー

 場所を選ばず同じデータを利用したりデータをネット越しに共有したりしたいときには、オンライン・サービスは便利だ。しかし当然のことだが、オンライン・サービスだけだとオフライン時に利用できないし、使い勝手の面ではクライアントのソフトにはかなわないだろう。ソフト+サービスという我々のアプローチは、両方の長所を集めたものだ。

 具体例がExchange Server 2007のクライアント環境である。当社は専用クライアント・ソフトのOutlookと、Webブラウザ上でOutlookの基本機能を利用できるOutlook Web Access(OWA)を用意している。自分のオフィスのパソコンで大量のメールを処理するときには高機能なOutlookを、外出先などにあるPCからWebにアクセスしてメールをチェックしたいときにはOWAと、状況に応じたクライアント環境の使い分けが可能だ。情報は一元化されているため、企業はメールの利用者に多用なアクセス手段を提供しつつも、システム運用が複雑化することを抑えることができる。

 二つ目の実例が、CRMソフト「Dynamic CRM」だ。マイクロソフトはDynamic CRMを、ライセンスを販売する売りきりのパッケージ・ソフト形式、マイクロソフトがサービスをホスティングして月額利用料を徴収するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)形式、パートナ企業がホスティングするSaaS形式の三つの形態で販売している。

 三つともCRMソフトのコードベースは共通。企業は自社のビジネス規模やシステム運用方針に合わせて、利用形式を選択できる。例えば当初は月額利用料を支払ってSaaSで利用していた企業が、従業員数の増加などによってトランザクションが増えたので、ライセンスを購入して社内にサーバーを設ける、といった段階に応じた変更が容易だ。

 グーグルが企業向けSaaSで提供しているワープロ・表計算サービス「Google Docs & Spreadsheets」は、技術が発展したことを示すデモンストレーションとしては興味深い。しかし本当にユーザーの要望や、文書作成ソフトの利用パターンに合っているのかどうかは、しっかりと考慮する必要がある。

 例えば私の場合、移動中や飛行機に乗っている最中でも、文書を作ることが日常茶飯事。こうしたシーンでは、グーグルのサービスは利用パターンに合っているとは言えない。我々は単に既存のソフトを新しい技術で作り変えるのではなく、ユーザーの利用パターンに着目するようにしている。そして導き出した答えが、ソフト+サービスだ。

 確かに検索技術に関しては、グーグルが強い。しかし検索エンジンのバトルはまだ始まったばかり。当社もようやく第一ラウンドに立ったところだ。これからもっと投資を拡大していく