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 インボイスは携帯電話や固定電話,インターネット接続など様々な通信料金の請求書を一つにまとめ,通信事業者に代わってその料金を請求する通信料金一括請求サービス「GENERAL INVOICE」を提供している。企業が「GENERAL INVOICE」を利用する際の料金は基本的に無料だ。なぜ無料でサービス提供できるのか。その理由や,企業の携帯電話利用の実態などについて聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=日経コミュニケーション



どうして無料でサービスを提供できるのか。


インボイスの木村育生代表取締役社長
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 固定電話やインターネット接続,携帯電話など各通信料金を総合的に見ることで,無料で提供できる余地を作り出している。例えば携帯電話の料金が一括請求であればインボイス側で工夫の余地ができる。一般に携帯電話の料金は,コンビニエンスストアでも支払えるし,クレジットカードでも支払える。このとき携帯電話事業者はコンビニエンスストアやクレジットカード会社に対して料金回収の手数料を支払っている。インボイスもこれらと同じ位置付けの代金回収業者となるので,同じマージンをもらえる。

 また,国際電話についてはインボイスが他者から回線を借りて,自社ブランド「World Dial」で提供している。料金も他社より割安だ。こうした工夫をしているため,「GENERAL INVOICE」はユーザーに対して無料提供が可能で,しかも企業の通信料金の総額も以前より安価になることがある。

携帯電話の料金を安価にするため,例えばインボイスが大口契約して,インボイス名義の携帯電話をユーザー企業に貸し出したりしているのか。

 そうしたやり方はうまくいかない。携帯電話のサービスはどんどん変わっていく。目新しい機種も増える。インボイスから貸し出す形式だと,ユーザーからの要望をインボイスが受けなければならない。そこまでインボイスでは対応できない。ユーザーはあくまでも携帯電話事業者と契約する。そして請求書のあて先をユーザー側ではなく,インボイスにする契約をしてもらう。

インボイスの一括請求サービスの対象は,法人名義の携帯電話なのか。

 携帯電話を法人契約している企業はあるが,多くの中小企業の場合,通信費削減に逆行する。法人契約にした企業は,携帯電話料金の高さに頭を悩ませているのが現状だ。携帯電話を法人契約するのは時代遅れだと思う。

 インボイスが勧めるのは,携帯電話事業者とは個人で契約し,各企業の中で各個人に対して通信費の一部を補てんするやり方だ。A君は営業部だから4000円,B君は総務部だから1000円,C君は技術部でサービス・カーに乗って外回りをするから1万円,といった金額を決めてもらう。そしてその金額を「いったんインボイスに下さい」とお願いする。携帯電話の請求書がインボイスに届いたら,補てん額を除いた個人分の料金を,インボイスが個人に対して請求する。なぜそうするか。4000円などの補てん金を本人に直接支給したら所得扱いになる。逆に補てん金を除いた額をインボイスに支払う形にすれば,業務委託料として経費で落ちる。

 そのために会社と個人で契約を結ぶ。「個人で所有している090-XXXX-XXXXの携帯電話を仕事で利用することに基本的に同意いたします。その対価として月々何円の補助をいただきます。その中で会社に迷惑がかかることのないように管理することをお約束いたします」といった契約だ。実はインボイス自身,こうしたやり方を採用している。補てん金額を決めた上で,全員個人契約の携帯電話を仕事に使っている。

 ユーザーは自分で携帯電話の機種変更もしたいし,「着うた」などのダウンロードもしたい。だが会社から支給されるとそうした自由もきかず,ぞんざいに扱うことが往々にしてある。仕事だと思えばいくらでも長話をしてしまう。だが個人の携帯電話に対して4000円なりの金額を補てんすれば,「後は個人で処理して下さい」ということになる。そうすると,仕事でもなるべく短く話をするだろう。これがコストダウンだ。携帯電話の料金を下げるには,通話時間を短くすることと,無駄な通信をしないことが最も効果的だ。コスト意識を高めるには携帯電話を個人に帰属させた方がいい。

個人情報保護法などセキュリティの観点から,法人契約の携帯電話を支給する企業も増えてきたようだが。

 携帯電話事業者は,個人の市場が飽和してきているので法人営業を強化している。個人情報保護法や,コンプライアンス上からセキュリティが重要なのはその通りだが,携帯電話を落とした場合,個人所有だろうが法人所有だろうが,まず考えるべきは携帯電話の中の個人情報を保護するということ。落とした携帯電話に対して,遠隔地からデータを消去するサービスもあるので,それをどういう形で駆使するかを先に考えた方がよい。また,端末そのもののセキュリティを高める点から,指紋認証機能付きの携帯電話が有効なこともあるだろう。そうであれば回線の契約は個人にして,端末だけを支給したり,機種変更費用を補てんすればよい。

 実際のトレンドとしては,私の言っている通りにはならず,法人契約が増えていくことになるのかもしれない。だが,企業がそれを本当に望んでいるのかどうかは別。そういう方向に進まないと,これから携帯電話は売れなくなってしまう。携帯電話事業者は,一人に2台持たせようと必死なんですよ。