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 マイクロソフトが提供するインターネット検索エンジン「Windows Live Search」。MSN.comの検索エンジンとしても使われているが、この分野では後発に当たるということもあり、シェアの面では他社サービスに後れを取っている(関連記事)。

 「Google」「Yahoo!」という強敵に、今後いかに対抗していくか。米マイクロソフトで検索サービスのプロダクトマネージメントを担当するジェネラルマネージャー、ブラッド・ゴールドバーグ氏とデリック・コネル氏に聞いた。

■現在、Live Searchの開発で最も力を入れている点は何か。

 ユーザーの「意図」をいかに理解するか、だ。このテーマは、いまだどの検索エンジンも達成できていない。たくさんの検索結果を表示するのでなく、そのユーザーが求めている情報をピンポイントに提示することこそが、次のイノベーションになるだろう。

 技術的に見れば、現在の検索エンジンはいずれもまだまだ幼少期にある。ユーザーが検索を利用する際に求めるのは「速く、妥当な検索結果がほしい」ということだ。いずれについても、今はまだ十分ではない。改善するには、ユーザーの意図を理解する必要がある。

 まず、速度面。今は少し複雑な検索文になると、50%くらいの確率で妥当な検索結果が出ない。ユーザーは検索文を入力して結果を得て、さらにその結果を基に別の検索文を入力して…という作業を繰り返すことになる。その結果、望む情報にたどり着くまでに平均的に10~11分ほどかかってしまう。この時間を、1~2分に短縮したい。ユーザーが検索ボタンを押してから結果を表示するまでにかかる時間だけが重要ではないのだ。ユーザーの質問に、いかに速く答えるかが大切だ。

 妥当性についても、現状はまだまだ。1000万件の検索結果より、1件の妥当な結果を出せることの方が大切だ。例えば米国では、5万人の人々が、毎日「weather(天気)」というキーワードで検索する。答えとして何が適切かは、その人の居住地によって異なる。ここで、ユーザーの意図理解が重要になる。

■ユーザーの意図は、どのように理解するのか。

 さまざまな方法がある。最も望ましいのは、ユーザー自身が教えてくれることだ。Windows Liveのサービスにユーザー登録し、サインインしてくれれば、その人の属性情報が自ずと分かる。これ以外にも、携帯電話のGPS機能を利用する、IPアドレスから判断するなど方法は多数考えられる。

 いずれにせよ、この分野ではかなり高度な技術が要求される。マイクロソフトは、ソフトウエア開発においては優秀な人材を多数抱えている。また現在、マイクロソフトのサービスを活発に利用してくれているユーザーが多いことも我々の強みだ。マイクロソフトは、一般消費者、開発者、システム担当者、企業ユーザーと幅広い相手に製品を提供している唯一の企業。これだけ多くのユーザーから、彼らが求めていることをよく聞くことで、得られるものは多い。

■意図が理解されることに対して、気味が悪いと感じるユーザーもいるのではないか。

 我々の調査では、見返りとして十分な価値が得られるのであれば、ユーザーの多くは喜んで自分の情報を提供するという結果が出ている。だからそれほど悲観的に考えていない。とはいえもちろん、プライバシーの保護はマイクロソフトの最重要事項だ。入念なテストをし、ユーザーからのフィードバックを受けながら進めたいと考えている。

■ユーザーの意図を理解できる検索エンジンは、いつ実用化されるのか。

 実用化は、既に進みつつある。例えば、ユーザーの検索文を適切に理解できる、質問応答型の検索エンジンだ。

 通常の検索エンジンでは、3語以上の検索キーワードを入力すると、検索結果の精度が落ちる傾向がある。例えば「イチローは子ども時代名古屋のどこに住んでいたか」と入力すると、関係のない情報がたくさん出てきてしまう場合が多い。そこで、こうした質問にピンポイントに答える技術が登場してきている。マイクロソフトは、この分野ではかなり先進的な位置にいる。

 ただ、これだけで満足するわけではない。このような質問に答えられることは重要だが、質問をさらに理解して、ユーザーにとってさらに“おいしい”答えを出すことが大切だ。これを可能にする技術は、1年以内にも登場し始めるのではないか。

■検索エンジンの乗り換えは、ユーザーにとってかなり大きな決断だ。他の検索エンジンから、Live Searchにいかにユーザーを乗り換えさせるのか。

 冒頭にも述べたように、検索エンジンは技術的にまだ幼少期なので、これから進歩する余地はいくらでもある。さらに、検索エンジンの乗り換えに当たってユーザーが支払う金銭的コストはゼロだ。だから現在大きなシェアを握っているサービスに、ユーザーがこれからも執着し続けるわけではない。速く妥当な検索結果を出すという点で、マイクロソフトに技術的なアドバンテージはある。

 もちろん、良さを分かってもらうにはそれなりの時間が必要だとは思う。だがサービスの利用にコストはかからないので、気軽に試してもらえるだろう。