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米AMD執行副社長のアンリ・リシャール氏 (写真=新関 雅士)
米AMD執行副社長のアンリ・リシャール氏 (写真=新関 雅士)
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続々と提供されるセキュリティ・パッチの適用など、煩雑さを増すクライアント管理は多くの企業にとって頭の痛い問題。クライアント管理技術では米インテルが、デスクトップ向けの「vPro」に続き、ノート・パソコン向けの「Centrino Pro」を投入し、米AMDとの差異化を図る。AMDは、どのようなクライアント事業戦略を進めるのか。来日したアンリ・リシャール執行副社長に聞いた。

インテルのvProをどう見ているのか。

 システム管理の機能はユーザー企業にとって有用だが、インテルはvProでCPUからチップセット、LANモジュールまで自社製品による囲い込みを進めている。これはパソコン・メーカー、ひいては顧客企業の選択肢を狭めることになり、結果として割高な製品を購入させられることにつながる。だが、ユーザー企業は囲い込みの弊害に必ず気付くはずだし、当社はユーザー企業に別の選択肢を提示していく。市場に適正な競争をもたらすことが重要なのだ。

具体的には、どのようにクライアント管理を実現するのか。

 当社は、システムの統合管理に向けて、仮想化やセキュリティ、相互運用性の確保を核にした「Trinity」構想を打ち出している。その前提として、オープン・スタンダードのサポートを最優先に取り組んでいる。クライアント管理機能でいえば、システム管理の標準化団体である「DMTF(Distributed Management Task Force)」などオープンな仕様に準拠していくし、DMTFのメンバーとして、積極的にその標準仕様の普及に務めている。

 DMTFは現在、新しい標準仕様のDASH(Desktop and Mobile Architecture for System Hardware)を提唱している。先日も当社は、「SIMFIRE」という無償のDASH準拠検証ツールを発表した。今年末には、DMTF対応のチップセット「780Xシリーズ」を発表し、2008年第一四半期をメドに出荷する予定だ。

企業向けクライアント・パソコンに向けた今後の開発方針は。

 現在当社は、グラフィックス・チップなど、CPU以外のプロセサを生かしてシステム全体の性能向上を図る「アクセラレーテッド・コンピューティング」を推進している。この考え方を企業クライアントにも生かす。

 アクセラレーテッド・コンピューティングの具体例の1つが、2009年をメドに提供する予定の「Fusion」である。CPUとグラフィックス・チップを融合させた製品だ。昨年買収したカナダのグラフィックスチップ・メーカー、ATIテクノロジーズの技術を利用する。両者を一体化することで、例えば、並列処理の最適化が進み、浮動少数点演算能力などを向上することが期待できる。システム設計の自由度が上がり、小型化や消費電力の低減が可能になる。

 今後は企業のクライアント・パソコンでも、ビデオ会議などグラフィックス性能が必要な場面は増えていく。それ以外にも、クライアントに求められる性能・機能は多様になる。当社はこれからも企業ユーザーの要望に積極的に応えていきたい。