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米プログレス ソフトウェア エンタープライズ基盤部門のゴードン・バン・ハウゼン副社長
米プログレス ソフトウェア エンタープライズ基盤部門のゴードン・バン・ハウゼン副社長
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SOA(サービス指向アーキテクチャ)関連ミドルウエアなどを開発・販売する米ソニック ソフトウェアの日本法人は、アプリケーション統合の基盤となるESB(エンタープライズ・サービス・バス)製品の新版「Sonic ESB 7.5」を5月30日に出荷を開始した。XMLベースのビジネス・プロセス・フローの定義言語BPEL(ビジネス・プロセス実行言語)の最新規格「WS-BPELバージョン2.0」に対応するなど、より広範囲のWebサービスの統合を可能にしたという。ソニックの親会社である米プログレス ソフトウェアのエンタープライズ基盤部門の副社長兼ゼネラルマネージャを務めるゴードン・バン・ハウゼン氏に、SOAの最新状況などを聞いた。

Sonic ESB 7.5の改善点は何か。

 組織をまたがる分散環境におけるSOAの展開を支援するための機能拡張だ。具体的には、次の3つのミドルウエアとの連携で実現している。BPELをサポートするための「Sonic BPEL Server」と、SOA環境の運用・管理を容易にする「Actional Looking Glass」、情報の意味的整合性を保つためのセマンティック・データ統合製品「DataXtend SI」である。SOAがミッション・クリティカルな分野に本格的に適用され始めたことで、複雑さを増しているSOA環境の構築・運用を可視化し、活用を支援するための施策となる。

どのような複雑性が増しているのか。

 例えば、ミッション・クリティカルなシステムでは、昨今のセキュリティ対応を含めた可用性が求められるし、複数の組織間でサービスを統合しようとすれば対象システムがWebであるとは限らない。開発環境もそれぞれに異なっていれば、開発者にとっては煩雑になる。これからの経営システムがSOAベースになればなるほど、こうした問題を解決しなければビジネスとITの一体化は実現できない。

Sonic ESBのユーザー層はどんな使い方をしているのか。

 大きく4つのタイプがある。1つは、SOAの本来的な使い方である連続パイプライン処理である。購買プロセスの自動化など、トランザクション処理時間の短縮が目的だ。これに対して、予想以上に利用例が多いのが、データ統合用途での利用だ。ポータル・サイトの構築などに向けたリモート情報アクセスと、販売価格や在庫といった最新情報を現場に届けるための情報配布の2つのタイプがある。いずれもデータの移動だけにESBの機能を利用していることになる。そして、最も新しい使い方が、リアルタイム性を求めたイベントの管理・配布である。英ヒースロー空港などを運営するBAA(英国空港管理会社)で進行中のプロジェクトがそれで、「SOA+EDA(イベント駆動型アーキテクチャ)」の初のケースである。

利用状況やセマンティック・データへの対応強化を聞くと、データの重要性が高まっているようにみえる。

 その通りだ。データの価値は今までにも増して高まっている。その背景には、SOAによってシステム統合が容易になり、様々なデータ・フォーマットが混在していることもある。SOAに限ったことではないが、いかに正しいデータを管理・活用できるかが重要だ。だが、そのことに気付いていない組織があることも、また事実だ。今後は、サービスとデータの両方が、共通のポイントでコントロールされるようになるだろう。

SOAを全社的に広げるには、IT部門だけの取り組みでは荷が重すぎるように思える。それが普及を遅らせているのではないか。

 確かに、ITの関係が強まる中で、学際的なチームが必要になっている。実際、当社の顧客事例などをみてみると、SOAの成功例には共通して、ユニークなチームの存在がある。ビジネスや、システム・アーキテクチャ、オペレーションなど、それぞれを考えられる多彩な人材が集まっている。こうしたスキルセットをIT部門だけで集めることは難しいだろう。

ESBを今後、どのような方向に進めたいか。

 製品開発で関心があるのは、メタデータの管理とEDAとシステム管理の連携の2点だ。いずれも、よりリアルタイムにシステムがつながっていく中で、制御しやすい環境を実現するために重要だ。ビジネスに対し、技術がより直接的に応えていくためには、技術そのものをもっと簡単にし、誰もが利用できるようにする必要がある。SOAを含むテクノロジの浸透には、もっと技術を伝えるための工夫を凝らさなければならないだろう。