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製造系に強いマピックス、バーンと統合したSSAグローバル、さらに会計系のシステムズユニオンなど大手ERP(統合基幹業務システム)ベンダーを昨年矢継ぎ早に買収し、今では独SAPや米オラクルに次ぐ世界第3位の規模となった米インフォア。日本法人である日本インフォア・グローバル・ソリューションズ(東京都新宿区)の社長に3月16日付で就任した村上智氏に、今後の製品化やパートナー戦略などを聞いた。

村上智 社長
村上智 社長

インフォアと同様に買収戦略を推進するオラクルは、傘下にある各社のERPソフトを統合した新製品を開発中だ。インフォアはどうするのか。

 当社は統合した新製品を出すつもりはない。その代わり、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の技術を生かし、傘下に収めた各社の製品をデータ連携できるようにする。会計や製造、サプライチェーン・マネジメントや倉庫管理など、各製品はそれぞれ大きな強みを備えている。そこで業種に応じて各製品を組み合わせ、最適なソリューションを提供できるようにしていく。

 特に注力する業種は、製造業では電機・電子や産業機械・装置、自動車部品、一般消費財。さらに流通や小売り、サードパーティ・ロジスティクスなどの物流、サービスといった分野も開拓したい。既にいくつかの製品はSOAに対応しているが今後はもっと強化し、SOAを中核とした業種別ソリューションを強化する。

パートナー戦略はどう考えているのか。

 今までと同様、チャネル販売を重視する方針は変わらない。現在のパートナー企業は約100社だが、今後はビジネスプランを共同で策定することで、パイプをより太くしていく。どの業種にどんなソリューションで打って出るかなど、パートナー企業ごとに課題と目標を設定して、互いの方針を一致させていく。

 各パートナー企業にとっても買収したさまざまな製品を活用できるから、業種別ソリューションを自由に開発できるはずだ。そのためのマーケティングや技術の支援は惜しまない。

買収によって日本法人も急激に大きくなった。社内体制など、かじ取りが難しくなると思うが。

 現在の社員数は約140人。昨年にそれぞれの日本法人が統合したので、以前の1.5倍くらいに社員が増えた。企業文化や営業体制が異なるので、まずはマネジメントとしていかに整合性を取っていくかが、社長に就任した私には最初のハードルになる。

 そこで現在、社内体制の改革を考えている。まだ計画中なので詳しくは言えないが、製品別になっている組織を今後は業種別に変えていく方針だ。そして営業やサービス、サポートなど各部門のメンバーがチームとなって、各ユーザー案件についてディスカッションしたり、アカウントプランを立案する。ユーザー企業の視点を全社員に持たせることで社内のベクトルを合わせ、新たな企業文化につなげたい。