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 米FalconStor Softwareは,データ・バックアップやレプリケーション・ソフトなど,企業が抱える情報システムのデータを保護するソフトウエア製品を開発している企業である。個々のストレージを束ねて仮想化する基盤ソフトを中核に,仮想テープ装置(VTL)を実現するソフトやCDP(Continuous Data Protection,継続的データ保護)ソフトなどをラインアップする。

 日本国内では,8月中旬にも,仮想マシン環境のVMware環境下で使うことを想定した製品「FalconStor CDP Virtual Appliance for VMware Infrastructure」(以下,CDP for VMware Infrastructure)を出荷する。同ソフトの発表会のために来日した同社会長兼CEO(最高経営責任者)のReiJane Huai氏に,ユーザー企業のデータ保護に求められている機能について聞いた。



米FalconStor Softwareで会長兼CEO(最高経営責任者)を務めるReiJane Huai氏
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データ保護のために,どういった製品を用意しているのか。

 大きく分けて,2系統ある。1つは,VTL(Virtual Tape Library,仮想テープ装置)やSIR(Single Instance Repository,データ重複排除)といった製品群であり,テープ・バックアップの効率を高めるものだ。もう1つはCDP(Continuous Data Protection,継続的データ保護)であり,短時間での障害復旧を可能にするものだ。いずれの製品も,共通するストレージ仮想化基盤の上に構築している。

VTLをラインアップしている理由は何か。VTLの需要が高まっているのか。

 テープ・バックアップの成功率を高めるためにVTLの需要が高まっている。物理的なテープ・ライブラリの場合,ドライブの故障やロボットの故障,テープ媒体そのものの問題など,バックアップを失敗に終わらせる要素が多い。データ転送速度やドライブの数などにも制約があり,バックアップのキュー待ちの状態にもなりやすい。ディスクをテープ・ライブラリ装置に見せかけるVTLは,テープ・バックアップを必要とするユーザーにとって魅力的である。

 テープ・ライブラリのバッファとしてVTLを用いるユーザーもいれば,テープ・ライブラリを使わずにVTLをスタンド・アローンで使うケースもある。いずれにせよ,VTLによってテープ・バックアップの柔軟性を増すことが可能だ。

 テープ・バックアップの需要が無くなることはない。企業のストレージ容量は1年で2倍に増え続けているが,テープだけが電源を消費しないメディアである(ディスク・ストレージは通常,電源を投入している)。テープ・バックアップは今後もなくならないだろうと見ている。

今回出荷する製品はCDP製品の1つだ。VTLは機能の名前なので分かりやすいが,CDPは目的の名前であって機能の名前ではない。CDPを実現するための方法も1つではないので,CDP製品というと何のことなのか分かりにくくないか。

 確かに,競合他社もCDPというキーワードを使って,同じ目的を持ったソフトを出荷している。だが,他社の製品はファイル・ベースでデータを管理する製品である。一方,FalconStorは,ブロック・ベース(iSCSI)でデータを扱える。ここが,他社との機能の違いを生んでいる主要なポイントだ。FalconStorの仮想ストレージ基盤は,バックアップ対象となるサーバー機との間で,iSCSIで通信するのだ。

 (ブロック・ベースで変更部分だけを細かく更新する)FalconStorなら,データの変更点を容易にキャプチャリング可能であり,リカバリが高速に行える。1分など極めて短かい時間でシステムを復旧できるのだ。加えて,サーバー仮想化ソフトであるVMwareに対する理解が深いため,システム障害時に仮想サーバーを予備機として利用するといった使い方も簡単にできる。

 CDPという用語は,これに代わる用語が無いので使っている。他にもっと良い用語があれば使うが,今のところはCDPという用語がベストだと思っている。

 今回はVMware ESX Server上で稼働するアプライアンス・サーバー機としてCDP機能を製品化したが,次回はVTL機能をVMware向けに提供する予定だ。アプライアンスの名前は,「FalconStor VTL Virtual Appliance for VMware Infrastructure」になるだろう。楽しみにしていて欲しい。