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 米ブルーコートシステムズが、日本市場で新たな成長戦略を描いている。2000年4月に設立された日本法人は、これまで主にWeb関連のセキュリティアプライアンスを中心に市場を開拓してきた。同分野では既に約1000社への納入実績があるという。

河田英典社長
河田英典社長

 現在は「MACH(マッハ)5」と呼ぶ独自技術を活用して、WAN上でアプリケーションを高速配信するWAN高速化装置も手掛ける。4月には新製品「Blue Coat SG Client」を発表した。今後はどのような方針で進めるのか。日本法人の河田英典社長に聞いた。

チャネル販売がメインだが、パートナー戦略は。

 現在の販売パートナーは16社で、そのうち1次店が4社、2次店は12社である。昨年末には「Blue Coat Partner Program」というパートナー制度を整備し、デモ機器の提供や製品のトレーニング、マーケティング支援などを行っている。

 当社はチャネル販売が中心なので、今後はさらに販売パートナーを拡大する予定だ。年内をめどに1次店を5社にしたり、2次店は20社ぐらいに増やしたい。

 現在、ワールドワイドの売り上げにおける日本法人の割合は数%だが、今後は10%に持っていく。そのためにも販売パートナーの拡大は不可欠だ。

 当社製品の最大の特徴はアプライアンスであり、簡単に扱える点だろう。特にWAN高速化装置のライセンス体系はネットワークの回線速度に依存しないので、他社製品よりコストパフォーマンスがよいと自負している。

WAN高速化装置という製品自体、まだあまり知られていないのでは。

 こうした新しい製品のメリットをどう訴求するかが、今後は重要になると思う。そこでユーザー事例を積極的に発表していく。販売パートナーに売るための気付きを与えたい。

 例えば、特殊プレスを扱う寺方工作所の事例がある。鳥取県にある中堅・中小企業で、工場と本社は約10キロと離れている。両方ををつなぐネットワークは、数メガビット/秒のフレッツADSLだ。このため、CAD(コンピュータによる設計)アプリケーションはもちろん、Excelのファイルをやり取りするだけでも時間がかかってしまい、社員の生産性が低下していたという。

 そこで当社の製品である「Blue Coat SGアプライアンス」を採用した結果、今までは5分もかかっていたファイルのやり取りが、40秒に短縮された。

 このほか、鹿児島大学のキャンパスと近海の島を結ぶ専用線のネットワークに導入した事例もある。高速化と帯域幅削減につながったため、ストリーミングのアプリケーションを簡単に送信できるようになった。

 こうした事例をもっとアピールすることで、WAN高速化装置のさまざまな使い方を具体的に理解してもらえる。販売パートナーも売りやすくなるだろう。