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 企業の内部不正に対する眼が厳しくなってきた。情報システムに関しても,不正なデータの変更や,禁止されているアプリケーションの利用などを防ぐことが求められている。不正行為の電子的な証拠を保全する「フォレンジック・ツール」を手掛ける,米ガイダンス・ソフトウェアの販売担当バイス・プレジデント,シェルダン・フェインランド氏に,話を聞いた。


写真●米ガイダンス・ソフトウェアのシェルダン・フェインランド 販売担当バイス・プレジデント
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日本では「フォレンジック・ツール」の認知度はまだ低い。米国ではどのようにフォレンジック・ツールが広がったのか。

 米国では,企業の情報化が進んだ1997年頃から,捜査機関が情報システムを調査対象としなければならないケースが増えた。そのようなニーズに対して製品を提供するために,ガイダンス・ソフトウェアを設立した。消去したハードディスク上のデータを復元したり,メモリー上のデータを調べたりして集めた不正の証拠を保全するソフトウエアだ。その後,米国企業や米政府の間に,法廷で効力を持つデータを揃えるためには専用のフォレンジック・ツールが必要だという認識が徐々に広まった。

 日本市場に参入したのは,2000年ころだ。まずは,サーバーやクライアントPCなど単体のマシンを調査するスタンドアロン型のツール「Encase Forensic」を,捜査機関に使ってもらうようになった。企業向け製品もリリースしており,徐々に日本企業に採用されるケースが増えている。

企業向けと捜査機関向けでは,機能は異なるのか。

 消去されたデータを復元したり,メモリー上のデータを調べる機能は同じだ。企業向けの「Encase Enterprise」はそれに加えて,ネットワーク経由で調査データを集めることができるのが特徴だ。

 グローバルでは,トヨタやソニー,AIGグループ,モトローラ,ハリバートンなどが,社内の“調査プラットフォーム”として利用している。

なぜ企業内に調査プラットフォームが必要なのか。

 2006年12月に米国の連邦法が改正され,民事訴訟手続きが改正されたことが大きく影響している。米国で事業を手がける企業は,訴訟に必要な電子データを提供することが義務付けられた。「ediscovery」と呼ばれるデータ開示の手続きを踏まねばならない。米国以外にもそのような動きがあり,世界的に「フォレンジック」に取り組む必要性が高まっている。

 国際化を進める日本企業も例外ではない。

フォレンジック・ツールの市場はどのような状況なのか。

 ある調査会社によると,グルーバルで前年比60%程度伸びているというデータがあるように,市場規模は拡大している。日本も含めた当社の売り上げも大きく伸びている。2006年度は約40%伸びた。97年からツールを提供している実績があるし,法廷で証拠として採用される電子データを作成するためのツールとして認知されていることがその理由だ。当社製品はデファクトといっていい。

 ただ,今後は競合ベンダーも力を入れてくるだろう。ある調査会社は,今のところ15億~16億ドルの市場だが,今後3~4年で35億ドル程度まで拡大すると予想されている。

現状の競合ベンダーはどこか。

 当社の製品は単体マシンの不正調査はもちろん,企業内ネットワークにセキュリティ上の事故が起きた場合の原因特定作業などにも利用できるなど多機能であるため,競合は個別の機能ごとにしか存在しないと考えている。例えば米アクセスデータの「Forensic Toolkit」は,単体マシンの調査では競合するが,それ以外の機能は備えていない。

今後の製品戦略は。特に日本ではどのような戦略を採る方針なのか

 企業向け製品であるEncase Enterpriseの,調査プラットフォームとしての機能を拡充していく予定だ。Encase Enterpriseと連携してクライアントPCの実態を把握するためのアプリケーションを,追加できるようにする。数社のベンダーと協業して開発を進めている。

 また,ローカル対応を強化していきたい。日本をはじめとするAPACはもちろん,中東やアフリカなど,製品を提供している各国の言語で利用できるようにしていく。サポートや販売チャネルも強化している。