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 日本国内で提供されているFTTHのバックボーンのほとんどは,SONET/SDH(synchronous optical network/synchronous digital hierarchy)をベースに構築されている。しかし,最近,光信号を電気信号に変換することなくそのまま転送し,大容量および運用管理の容易さを併せ持つ伝送技術「ROADM」(reconfigurable optical ADM)が採用され始めている。そのROADM装置の大手である米テラブスのスティーブン・マナセ氏(Senior Manager,Business Development Asia Pacific)とティム・ドイロン氏(Director,Product Marketing Broadband Products)の両名に話を聞いた。


(聞き手は高橋 健太郎=日経コミュニケーション



テラブスは現在,主にどのような製品を提供しているのか。

米テラブスのスティーブン・マナセ氏(左)とティム・ドイロン氏(右)
米テラブスのスティーブン・マナセ氏(左)とティム・ドイロン氏(右)
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 マナセ氏:当社は30年以上にわたり,伝送装置の分野でビジネスを続けている。現在は,通信事業者の伝送路のコアを構成するSONET/SDH,MSPP(multiservice provisioning platform)やDWDM(dense wavelength division multiplexer)などのROADM装置を手掛けている。また,IP/MPLS(multiprotocol label switching)ルーターやアクセス・サービス用のPON(passive optical network)装置も扱っている。

 これらの装置を組み合わせ,さまざまなソリューションを通信事業者向けに提供している。その一つが,10月にアジア・太平洋地域で提供を開始したFTTHサービス向けソリューション「ダイナミック・ホーム・ソリューション」だ。このソリューションによって,トリプルプレイ・サービスのインフラを通信事業者が構築できるようになる。このソリューションは,すでに米ベライゾンがFTTHサービス「FiOS」の構築に採用している。

日本で提供されているFTTHサービスと技術的に何が異なるのか。

 マナセ氏:まず,現状のFTTHサービス向けネットワークの状況を説明しよう。従来の技術では,SONET/SDHやイーサネットの帯域が必要になれば,SONETのリングを追加するなど,その都度作業が必要になる。そうした作業には,SDHの伝送装置が置かれているサイトに管理者が直接出向き,手入力でプロビジョニングを設定したり,配線し直したりという手間が必要だった。

 当社のROADM装置「Tellabs 7100 OTS」を使えば,実際のチャンネルの設定は,1カ所のサイトから,管理画面上でポイント&クリックするだけで完了する。7100は,1波長当たり最大40Gビット/秒,44波長の帯域の伝送路で,装置同士をメッシュ状に接続できる。管理画面から全サイトの装置を設定できるため,わざわざ個々のサイトを回る必要はない。

 また,従来の製品では別の装置として実装されていたMPSS,SDH,DWDM,イーサネット・スイッチが一つのきょう体に統合されているという点も,他社の製品にはない強みだ。

 ドイロン氏:これまで通信事業者が採用してきたSDHベースの手法では,伝送路の帯域と,ユーザーが実際にサービスを受ける場所の帯域のマッチングがとれていなかった。ROADMを使えば,ユーザーの要求に合わせてネットワークの帯域を柔軟に変えられる。

 今,サービス・プロバイダは,三つのチャレンジに直面していると言えるだろう。(1)コア・ネットワークでの帯域増強,(2)ユーザーの要求に応じて帯域を柔軟に割り当てる手段,(3)帯域増強の際のコスト効率性--である。当社のROADM装置を使えば,こうした問題は解決できる。

将来,日本のFTTHサービスのコア・ネットワークも,ROADMベースで構築する必要がでてくるのか。

 ドイロン氏:今回,来日した目的の一つは,当社の顧客である通信事業者の要望を聞くとともに,当社の技術が必要となるスケジュールを確認するためだ。

 確かに,今後もSONET/SDHベースのままでFTTHサービス用のバックボーンの帯域を増強していくことは可能だろう。しかし,FTTHサービスで要求される帯域の膨張のスピードを考えると,効率的ではない。

 ベライゾンの例は,そのような判断によるものと言えるだろう。FTTH化でアクセスの帯域が増え,その上で映像を配信するようになると,SONETリングを増やし続けて対応するのは,コストを考えると難しいからだ。