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 インターネット利用者動向調査及びマーケティング情報会社ネットレイティングスは、サイトのパワーを計る指標を従来のPV(ページビュー)から滞在時間に変えるという方針を打ち出した。サイト測定指標や広告の今後、企業のインターネットとの付き合い方はどう変わるのか。社長の萩原雅之氏に話を聞いた。

聞き手:原 隆=日経ネットマーケティング,高橋 暁子=フリーライター


米国のニールセン・ネットレイティングスは2007年7月、サイトのランキング指標が、PV(ページビュー)から滞在時間に変わるという発表をしたが、ほかにも変化はあるか。

ネットレイティングス 萩原雅之 代表取締役社長
ネットレイティングス 萩原雅之 代表取締役社長

 米国のニールセン・ネットレイティングスは、2008年以降大きなバージョンアップをする予定です。ネットテクノロジーやデバイスが変わってきたのに合わせたサービスを提供していきたいというのが狙いです。日本もそれに追随するかどうかはまだ未定です。

 なお、今後はコンテナ(メディア)とコンテンツの両方の視聴率の測定について取り組んでいく予定です。コンテンツに関しては、視聴率(量的測定)、視聴質(質的測定)の両方が重要になると考えています。Webについても、コンテナだけでなくコンテンツも測定しようという話になっているので、来年以降取り組む可能性があります。

 米ニールセンは、レビューサイト「ヘイニールセンSNS」を作っています。参加者がテレビや映画、音楽、Webサイトなどを評価するコミュニティサイトです。日本でいう、映画でつながるクチコミサイト「映画生活」みたいなものです。調査会社として、自社で定性的にデータを集める仕組みを作り、お客様に提供したいと考えているのです。

デバイスが多様化している。米国では携帯やテレビ、ゲームなどを媒体として一体化して扱ようになってきているが日本ではどうか。

 広告主は、予算をいかに配分して最大の広告効果を出すかということが目標です。メディア側の都合を押しつけず、メディアを横断した形で相互比較しなければならないと考えています。ゲーム内広告を出すためには、ゲームも他のメディアと同じ指標で測定しないといけないと思いますが、まだそこまでは至っていません。

 ケータイ向けのデジタルコンテンツは広がっていますが、使い方が国によって違うので、現時点では視聴測定は難しいですね。

これからの広告はどのような指標で測定すべきなのか。

 広告業界的には、露出とエンゲージメント(関与度)を分けて考えています。元々の広告指標は、たくさんの人に多くの広告を見せることで認知度が上がり商品が買ってもらえるという露出を重視したものです。ゲーム広告の場合はディスプレイ型なので、露出回数が重視され、「リーチ×フリークエンシー(接触頻度)」で計ります。

 一方、エンゲージメントという考え方は「リーチ×レレバンシー(適切さ)」です。回数は一度きりでも、検索した際などにいかに適切な広告を出すかが大事なのです。ターゲティング広告も同じ考え方です。

インターネットにより広告が変化したということか。

 そう思いますね。まず、広報やPRの方法が変わってきました。10年前にはニュースリリースをファクスでメディアに向けて送っていました。しかし今は、ニュースサイトよりも企業サイトの情報の方が詳しく載っています。つまり、企業サイトが情報をユーザーに向けて発信しているのです。リリースも読まれることを前提に、分かりやすくなりました。

 かつては、マスメディアの広告とSP(セールスプロモーション)は別でした。しかし、ネットが出てきたことで、メディア広告という概念があいまいになってきていると思います。今は便宜的にインターネット・新聞・テレビ・雑誌などと分けていますが、測定できるものを分けているだけです。たとえばブロガーをバイラル効果に利用したり、自社サイトを大金をかけて作ったりしますが、それらは広告宣伝費には入りません。しかし、広告機能を持っています。

 電通や博報堂が経由するという意味での宣伝費は、もう完全に崩れています。ユーザーの立ち話さえ宣伝的意味を持っています。広告を無力化してしまうクチコミや、広告を上回るクチコミが出てきており、制御できないものがマーケティング価値を持ち始めているのです。