クリエーターのコミュニティサイト運営、Web制作を手がけるロフトワーク(東京都渋谷区)は2008年3月29日から開催中の「生誕100年 東山魁夷展」(主催:日本経済新聞社)に先立ち、同社サイトに登録するクリエーターを招いた内覧会(ブロガーイベント)を実施。ブログなどへのレビュー執筆を依頼した。
ブロガーイベントはクチコミマーケティングの一手法として定着しているが、クリエーターが集まるコミュニティサイトならではの特徴はあるのか。ロフトワークで広報を担当する小林利恵子氏に、その狙いと今後の展開について聞いた。
(聞き手は杉本 昭彦=日経ネットマーケティング)
今回の企画の経緯は。
登録クリエーターの一人である写真家の小島健一氏が、プライベートで「社会科見学に行こう」という活動している。元々はPR会社から小島氏に、「ブロガーを集めた内覧会をやるので声をかけてくれないか」と依頼があった。そこで小島氏が、クリエーターが集まった方が面白いものになるのではないかと考えて、当社に企画を紹介したくれたのがきっかけ。
ロフトワークとしても美術展などにかかわっていきたいという方向性を持っており、ぜひやろうということになった。
内覧会に来たロフトワーク会員に、記事を書いてもらうことになるのか。
ロフトワークのサイトにはブログ機能があるので、登録クリエーターには自分のブログに、今回の展覧会の感想やコメントを(無料で)書いてもらうことになっている。
募集したのは何人か。
30人募集して、実際申し込みがあったのは15人だった。
クリエーターを通じて、商品やサービスのPRを支援する企画は初めてか。
ブログを積極的に使ってもらい実施するのは初めてとなる。
今後、ブロガーイベントのような企画を、事業として取り組むのか、それともクリエーターへのインセンティブとして取り組むのか。
事業としては当面やらない。クリエーターのクリエーティブを刺激する一助になればいいと考えている。企画は美術展などに限らず、話がある中でロフトワークと合うかどうかで選択していく。登録クリエーターは若い人が多く、現代アートに親和性が高いので、今後はそういったイベントに協力していきたい。
一般的なブログPRとの違いは。
結果を見ていないのではっきり言えないが、クリエーター独自の視点、ユニーク性があると期待して取り組んでいる。
コミュニティの現状は。
登録は9200人を超えるぐらい。分野は様々だが、デジタルに強い人が多く、Web関係のデザイナー、イラストレーターさんが多い。そのほかにも、Flash、映像、ファインアート、ジュエリーデザイナー、書家などいろいろな人がいる。