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 コンテンツ供給者がエンドユーザーに効率良くコンテンツを配信するためのCDN(Content Delivery Network)。韓国最大手のCDN事業者であるCDNetworksの日本法人,シーディーネットワークス・ジャパンは日本国内で事業を展開中だ。同社のCDN事業部 金村勇秀マネージャー,サービス技術部 李庸進(イ・ヨンジン)マネージャー,サービス技術部 小野剛史氏に,国内での事業展開などを聞いた。

(聞き手は安井 晴海=ITpro



国内にどのような配信ネットワークを構築しているのか。


左から,シーディーネットワークス・ジャパン サービス技術部 小野剛史氏,CDN事業部 金村勇秀マネージャー,サービス技術部 李庸進マネージャー
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 大容量コンテンツを配信するために「広域負荷分散システム(GSLB:Global Server Load Balancer)」を構築している。

 配信拠点は全国に7カ所。それぞれの拠点に大容量ストレージを配備し,コンテンツ供給者のコンテンツをコピーして分散配置する。エンドユーザーからコンテンツに対するリクエストがあると,GSLBがエンドユーザーとのネットワーク的な“近さ”などを考慮して,最適な配信拠点からコンテンツを配信するという仕組みだ。また,負荷分散装置(ロードバランサー)も複数拠点に配置しており,ロードバランサー自身の負荷分散も図っている。

 一部の拠点は,ビットアイルのデータセンターを利用している。ビットアイルのデータセンターは,複数の通信事業者を選べるマルチキャリア対応である点などを評価した。

帯域はどれぐらいを確保しているのか。


データセンター内にズラりと並べられたシーディーネットワークス・ジャパンのストレージ機器や通信機器など
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 全拠点を合計した総帯域は,数十Gビット/秒だ。現在,インターネット接続事業者(ISP)との間の回線を,1Gビット/秒から10Gビット/秒に移行している最中。今のところは,ほとんど1Gビット/秒回線で,一部,10Gへの移行が完了した段階だ。しかし年内には,全部の回線を10Gビット/秒にする計画を立てている。全7拠点だが,1拠点で複数のISPと接続しているところもあるので,年内には総帯域が100Gビット/秒を超えるだろう。

 昨年の半ばまでは10Gビット/秒のインタフェースは持っていなかった。ものすごい勢いで拡大している。

日本のユーザーについて教えてほしい。

 オンラインRPG「リネージュ」や「リネージュII」を国内で運営しているエヌ・シー・ジャパンが当社のユーザーだ。オンラインゲームのデータのやり取りではなく,ゲームソフトのパッチ当てや新タイトルのリリース時などに,当社のCDNを使ってもらっている。ゲームソフトの容量はかなり大きいし一斉にアクセスが来るため,通常よりも一気にプラス10Gビット/秒のトラフィックが流れることもある。

 このほか,動画配信などもある「オリコン・スタイル」を提供しているオリコンDDやゲーム・サイト「モバゲータウン」を提供しているディー・エヌ・エーも当社のユーザーだ。

 また2008年3月には,ソフトウエア・ベンダーのセーバーを買収した(関連記事)。セーバーは,携帯電話向けコンテンツ変換システムを得意とする企業。今後は,セーバーのシステムと当社のCDNを組み合わせた携帯向けのサービスを提供していきたい。