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【後編】無線IP電話はこれから本格化

>>前編 

現在,注力しているサービスは何か。

 3月末に発表したLCM(life cycle management)がその一つだ。

 クライアント・パソコンやネットワーク,部門サーバーなどの運用で苦労している企業は多い。セキュリティ対策や,IT統制,J-SOX法対策,BCP(business continuity plan)策定などを含め,これらの運用管理が技術的にも難しい。そこで,ユニアデックスが一括してこの部分をサポートしようというものだ。

 例えばクライアント・パソコンは,ソフトウエアのアップデートなど,日常的に行うべき作業が多くて管理が大変になってきた。LCMのサービスでは,基本的にセンターからのリモート操作で,もちろん必要ならばユーザーの元に出向いて,それらの作業を行う。ネットワークのLCMでは,機器だけでなくネットワークにかかわる全般をサポートする。

 当初はクライアント・パソコンから始めて,6~7月にはネットワーク,その後は部門サーバー向けのLCMのサービスを提供する予定だ。

無線IP電話やユニファイド・コミュニケーション(UC)にも力を入れていると思うが,企業に浸透しているとは言いがたい。

高橋 勉(たかはし・つとむ)氏
写真:宮原 一郎

 無線IP電話は本当はもっと早くに立ち上がると見込んでいたが,2年くらい遅れたと思っている。

 遅れた理由はいろいろあるが,一つは電話系は総務部で,データ系はIT部門と,担当が分かれている企業が多いことだ。その中で無線IP電話やUCの良さは伝わっていても,PBXの利用をやめて機器を置き換えるまではハードルが高いようだ。逆に言うと,我々もそれを乗り越えるだけのメリットを十分に訴求できなかった部分があると思う。

 ただ,昨年の中ごろから無線IP電話やUCは進展があり,非常に活発なマーケットになってきた。新しいビルを建てて,そこへオフィスを移転する際に,フリー・アドレスの導入や,ワークスタイルの変革に取り組む企業が増えている。

 また,以前から言われていることだが,日本のホワイトカラーの生産性の低さは問題で,残業問題を含め世の中から効率化の要求を突き付けられている。その中でITを使ってワークスタイルを変えようとする取り組みがようやく動き出したと見ている。あとは,UCを活用した事例がいろいろと出てくれば加速度的に世の中の認識が変わっていくだろう。

昨年,日本ユニシスの傘下となったネットマークスと共同で「PowerWorkPlace」というUCの新コンセプトを打ち出した。進展はどうか。

 5月にPowerWorkPlaceバージョン1のソリューションを発表する予定だ。これはネットマークスが強い米シスコのネットワーク系UCと,日本ユニシスが力を入れてきた米マイクロソフトのパソコン系UCを連携させ,その上に我々の無線LANソリューションを載せるものだ。既にユーザー企業数社に案内しているが,評価は非常に高いと聞いている。企業のワークスタイルを変革できるものだと期待している。

就職活動の時期だが,学生の間でIT企業の人気が急落している。どう考えるか。

 かつてIT企業の人気は非常に高かったが,最近ではシステム・エンジニアは労働時間が長く,きつい仕事というような話が随分と出てきた。

 各社が思っているだろうが,仕事が工数で決められるのはおかしい。やはり能力があり,付加価値の高いサービスを提供できれば,それなりの対価を得られるという社会環境が望ましい。そうなればもう少し状況は変わってくると思う。自分が技術を持っていて,それが高く買われる,というように変化してくれば,IT企業の魅力も増していくのではないだろうか。

 学生にITというと,六本木(ヒルズのベンチャー企業)のことだと思っている。うちのような会社はシステムを構築し,サービスを提供するという業務内容をきちんと説明しなければならないと考えている。

 一方,インターネットが当たり前の環境で育っただけあって,LANやWAN,サーバーなど,いろいろな技術を持つ学生が多いとも感じている。

「グリーンIT」と呼ぶ環境問題への取り組みを教えて欲しい。

 残念ながら体系立てたソリューションなどは打ち出してはいない。ただ,最も電力を消費するのは熱を発するデータ・センターだと理解している。そこで,具体的な商品化はこれからだが,我々の持っているセンサー・ネットワークを活用した効率の良い空調管理システムなどを提供したいと考えている。

 あとはやはり(機器を集約して物理的な機器の台数を減らす)「仮想化」だ。仮想化についてはシステム・エンジニアの中にかなりの技術的な蓄積がある。仮想化を追求する中で,より環境に配慮したシステムを構築したいと考えている。

ユニアデックス 代表取締役社長
高橋 勉(たかはし・つとむ)氏
1948年8月12日群馬県生まれ。71年4月に日本ユニバック(現日本ユニシス)入社。メインフレームのサポート・エンジニア,カスタマー・サービスを経て,94年から経営企画を担当。ユニアデックス設立のプランニングに参加。97年3月,ユニアデックスの設立と同時に取締役となり主に経営企画を担当。05年10月から代表取締役社長。趣味はゴルフ,スキー,車。

(聞き手は,松本 敏明=日経コミュニケーション編集長,取材日:2008年4月3日)