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ディー・エヌ・エー 執行役員 ポータルコマース事業部副事業部長 兼 インターネットマーケティング部 部長 奥山賢一氏
ディー・エヌ・エー 執行役員 ポータルコマース事業部副事業部長 兼 インターネットマーケティング部 部長 奥山賢一氏
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   ディー・エヌ・エー(DeNA)は2008年5月28日、ケータイ向けに検索連動型広告やコンテンツ連動型広告を配信するサービス「ポケットマッチ」を始めると発表した。6月中旬以降に本格的に稼働する。ケータイ広告市場は急成長が見込まれ、グーグルやオーバーチュアなどが大手サイトや携帯事業者との提携を進めて激しく競う。勝算はあるのか。同事業を担当する執行役員でポータルコマース事業部副事業部長兼インターネットマーケティング部部長の奥山賢一氏に話を聞いた。
(聞き手は杉本 昭彦=日経ネットマーケティング

ポケットマッチを始めた経緯は。

 当社は以前から、アフィリエイトサービスの「ポケットアフィリエイト」を提供してきた。配信メディアは49万サイト、広告主は常時800~1500社程度いる。この資産を生かしたいというのが狙いだ。ケータイの市場はこれから。(参入するには)いいタイミングだと思う。

 広告の掲載方法は大きく分けると(1)コンテンツ連動型広告と(2)検索連動型広告「ポケットリスティング」の2種類。(1)には、ページに合わせた広告を表示する「ポケットコンテンツ」と、ページに合わせたカテゴリーを表示してそれをクリックすると広告を表示する「ポケットクリック」の2種類がある。

 コンテンツ連動型は、リアルタイムにページ内容を解析して広告を配信するのではなく、あらかじめ設定した内容に応じて広告を配信していく。

ポケットマッチはグーグルの「AdWordsモバイル」やオーバーチュアの「スポンサードサーチモバイル」と競合するサービスと考えればよいか。

 グーグルやオーバーチュアが強い市場に、ただ参入するのでは弱い。そこで、当社が集めた広告に加えて、オーバーチュアと組んでメディアに広告を供給することにした。メディアにとっては、広告の在庫切れが減る。

 ケータイの世界では、利用者、コンテンツともにパソコンと比べると偏りがある。広告主も少なく、掲載対象も公式のコンテンツプロバイダーが中心だ。すると、それ以外のページでは広告が表示されないこともあり得る。そこで当社とオーバーチュアの広告主を合わせてさまざまなメディアに供給する。

広告の掲載順位はどう決まるのか。

 当社の仕組みは、広告主がクリック単価を決めて、その額に応じて広告が表示される比率が決まるもの。ポケットマッチ全体では、オーバーチュアの広告と合わせて、(メディアにとって収益が上がる)インプレッション当たりのクリック率などの高い広告を選んで表示する。

 現時点では、オーバーチュアの広告主が中心となる。当社にとってオーバーチュアは代理店、広告主のような形になる。オーバーチュアが供給した広告の広告料金から一定の手数料を当社が得る。

メディアのネットワークはポケットアフィリエイトの49万サイトをそのまま引き継ぐのか。

 アフィリエイトでもそうだったが、CPC(クリック課金)の世界は(無差別にクリックをしてメディアが広告料金を得る)不正が怖い。ポケットアフィリエイトは個人サイトが多いが、まず法人サイトを選んで提携を進めている。コンテンツ系、メディア系など幅広く出していく。今はモバゲータウンでテストしており、提携サイトへの配信は6月中旬以降となる。広告主の開拓はそれからだ。

広告料金の決定に当たり、入札制は採用しないのか。

 (入札制による)検索連動型広告は、広告主、代理店にとって手間がかかる。キーワードを決めて、単価を決めて出稿するが、ちょっと手を抜くとCPA(獲得コスト)が急騰する。運用をどこまでできるか。当社は現在、単純なCPC、CPAの設定のみだか、遅くとも1年以内には方針を決めて進めたい。

競合と比べたときの強みはどこになるのか。

 検索連動広告、コンテンツ連動型広告は精度と、どういうメディアに掲載されるかが大事だと思う。その2点を追求していく。大量のページビュー(PV)がある「モバゲータウン」で行ってきた、広告収益を上げるための研究成果を生かして、ほかのメディアの収益拡大にも貢献していきたい。ケータイでは、まだメディアの開拓余地が大きい。

競合相手は世界規模で研究・開発している。

 世界的な大手との戦いは厳しい。しかし、ケータイは日本発で広がっている市場だ。日本の企業としてグーグルにはぜひ勝ちたい。