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 1Uのスペースに21コアを搭載可能なサーバーなど、集積度の高いサーバー製品を市場に送り出す、米ラッカブル・システムズ。この数年で急成長を遂げ、北米ではPCサーバー市場で第4位にあるという。2008年4月には伊藤忠テクノソリューションズと提携し、日本市場にも参入した。ラッカブルとはどんなベンダーなのか。マーク・バレンシア社長に話を聞いた。

写真●米ラッカブル・システムズのマーク・バレンシア社長兼最高経営責任者
写真●米ラッカブル・システムズのマーク・バレンシア社長兼最高経営責任者
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米ラッカブル・システムズは米国で急成長している。

 当社は、グリーンITのパイオニアといっていい企業だ。創業時から、消費電力と冷却、そして集積度に注目してきた。今のようにグリーンITに関心が集まる以前から環境配慮に力を入れてきた。

 当社のサーバー製品は、他社に比べて電力コストを3割~5割、冷却コストを8割減らすことができる。サーバーを設置するスペースも半分ですむ。それがユーザーに受け入れられている。

 ただしIT業界のグリーンITへの取り組みは、野球にたとえるとまだ2イニング目。まだ道のりは長く発展途上だ。

サーバー製品の実績は。

 1999年の創業からまだ10年に満たないが、昨年度の売り上げは3億5000万ドルを記録した。米ヤフー、米アマゾン、米マイクロソフト、米フェイスブックなど、ネット最大手のほとんどの企業が当社製サーバーを採用している。

 インターネット上で大量の処理能力を提供するモデルを、最近でははやり言葉として「クラウド・コンピューティング」というが、その特性は当社サーバー製品と親和性が高い。

 大量のコンピューティング・ファームを構築する企業は、数十万台の規模でサーバーを所有する。数千台のサーバーでも1ワットずつ消費電力を削減できれば、大きなメリットが得られる。

サーバーの高集積度をアピール・ポイントにしているが、どの程度ニーズはあるのか。

 当社製品は同じ面積に他社の2~3倍のサーバー台数を設置することができる。今は企業がサーバー増設に追われている時代だ。こういった高集積度なサーバーのニーズは非常に高い。そうしたサーバーでなくては、企業は毎年新しいデータセンターを建築したり、広いデータセンターを探さなくてはならない。

 もう1つ強調したいのが、ラッカブルの製品はハードウエアによる冗長構成をなくすことを目指しているということだ。ハードウエアで冗長化すると、ハードウエアのコストがかさむ。そうではなく、ソフトウエアで冗長化する方向を目指すべきだと考えている。これは当社の日本代理店である伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とも常々話し合っていることだ。

日本でもグリーンITというキーワードが広がり、システムの省電力化を進める企業が増えている。

 原油価格が上がり、電力コストは上昇している。日本のユーザーの期待にも応えられると考えている。

省電力型サーバーは、日本のサーバー・ベンダーも力を入れ始めている。

 確かにその通りだ。現時点で、日本IBM、NEC、富士通、日立製作所などが市場を占めている。私が何か勘違いしているか、勝算があるか、どちらかということだ(笑)。もちろん勝算はある。

 日本でCTCとパートナーシップを締結したことで、大きなチャンスがあると考えている。日本国内で実績があるCTCと組むことで、日本市場でも存在感を出せるはずだ。

新しい技術は敬遠されがちだ。ヤフーやフェイスブックはなぜ積極的に採用したと分析しているか。

 以前は、環境に配慮することは、何かをあきらめることだった。例えば家庭では、ゴミを分別するなど手間がかかることが多い。しかしグリーンITに関しては企業にメリットが生まれ、ビジネス価値を拡大できる。その一翼を担うことができたと自負している

 ネット専業企業は収益が高いわけではない。しかしコンピュータの運用にはお金がかかる。それでも当社のサーバーが利用されているのは、それだけの価値があると判断したからだ。

08年4月に、IBMやNECが集積度を追求したラック一体型のサーバー製品を相次いで市場に投入した。

 大手各社が環境に配慮した製品を市場に投入することは歓迎すべきことだ。同時にITによる環境配慮を広告などでも訴えてくれるとなお良いね(笑)。市場が広がるのはよいことだ。英語で「模倣されることが最大の賞賛」という言葉もある。

 ただ技術的には我々が先行している。ラックの1Uスペースに2台のサーバーを設置できるようにしたのも、直流給電に本格的に対応したのもラッカブルが最初だ。直流電源装置や整流器、直流給電時の冗長化技術などを開発してきた。ラッカブルは常にリーダシップを握ってきたベンダーだ。