PR

ソフトバンクIDCは,福岡県北九州市に「アジアン・フロンティア」と呼ぶ新たなデータ・センターを建設中である。東京ドーム約3個分という広大な敷地に約70億円を投資して最大12棟のデータ・センターを建設し,2008年秋には第1期分の2棟のうち1棟が開業する予定だ。同社の中山一郎ビジネス開発本部サービス&マーケティング部長と山中敦社長室戦略担当マネージャー兼技術本部施設部ファシリティアーキテクトに,アジアン・フロンティアについて話を聞いた。(聞き手は中井 奨=日経コミュニケーション



写真1●ソフトバンクIDCビジネス開発本部サービス&マーケティング部長の中山一郎氏(右)と社長室戦略担当マネージャー兼技術本部施設部ファシリティアーキテクトの山中敦氏(左)
写真1●ソフトバンクIDCビジネス開発本部サービス&マーケティング部長の中山一郎氏(右)と社長室戦略担当マネージャー兼技術本部施設部ファシリティアーキテクトの山中敦氏(左)
[画像のクリックで拡大表示]

アジアン・フロンティアの特徴は。

 アジアン・フロンティアは従来のデータ・センターと比べて次のような点が異なる。これまでは大型のデータ・センターを建て,需要に応じてフロアを埋めるというやり方だったためスペースや電力の無駄が生じていた。これに対して,アジアン・フロンティアでは「高集積」を重視して省スペース,省電力化を図る。そのために,需要に応じて比較的小型のデータ・センターを増設する“モジュール化”のアプローチを採る。

 500ラック規模のデータ・センター1棟が1モジュール。1期分は,2棟で計1000ラックを収容できる。敷地には最大12棟まで建設可能だ。しかし,データ・センターはジャストオンデマンドの発想で建設するので,モジュールの規模を柔軟に変更することもできる。ユーザーのニーズがなければ6棟とか4棟で建設が終了することだってあり得る。

データ・センターをモジュール化するメリットは。

 モジュール単位で建設することによって,追加する最新モジュールで最新の技術を取り入れやすい。技術革新に応じて,最新のサービスを提供できる。巨大なデータ・センターだと,一度建設するとさまざまな制約が出てくるので,最新技術に更新するのが難しい。

 また,モジュール単位での建設は初期投資を抑えられる。その上,敷地は北九州の工場跡地を安く借りているので,ユーザーに対してリーズナブルな価格を提示できる。

1期分のデータ・センターで採用している最新技術は何か。また,今後追加モジュールではどのような技術を取り入れる計画か。

 特に工夫したのが空調効率だ。従来は閉じた空間を電力による空調で冷却していたが,今回から外の冷気を活用する冷却技術を採用した。具体的には,データ・センターの床から冷気を流して,サーバーを冷やす。冷却後の熱気は,ラックを経由して天井裏に抜ける。その際,冷気と熱気を物理的に遮断している。このように,冷気と熱気を効率的に循環させる技術を「GreenMall」と呼んでいる。外気を取り入れる時間は,年間5000時間を想定している。

 2期分以降の追加モジュールでは,今回のGreenMall導入の結果を踏まえて,技術改善を検討する。

北九州という場所を選んだ理由は。

 北九州は地震が非常に少ない上に,交通アクセスも良い。また,土地のコストも都心に比べてはるかに安い。

 東京や大阪のユーザーが,バックアップ用ではなく,メーンのデータ・センターとして利用できると考えている。米国のデータ・センターの例を見ると,企業の所在地からは飛行機でなければ行けないとうケースも珍しくない。仮想化や遠隔制御によって,1台のサーバーに障害が発生しても,即座に別のサーバーに切り替えられる。実際に,場所にこだわらずにコストで選択するユーザーは増えている。

 また,北九州はサッカーのワールドカップの際に建設された日本と韓国を結ぶケーブル・ネットワーク(KJCN)の陸揚げ地でもある。リッチなネットワーク環境で,韓国や中国の企業が北九州のデータ・センターを利用する可能性だってあるだろう。

北九州から離れた都市のユーザーに対するサポート強化策は。

 ユーザーと当社との間でデータ・センターの情報を共有できる専用サイト「カスタマーポータル」で,ユーザーへのサポート強化を図っている。カスタマーポータルは,これまでは簡単なトラフィック・レポートやFAQを公開する程度だったが,今年4月以降,契約情報や運用管理情報などあらゆる情報をここで開示するようになった。各種サービスの申し込みや作業の依頼もWebサイトからできる。データ・センターから離れた場所にいるユーザーに対して,こうしたサ ポート・サービスの充実は欠かせない。

写真2●福岡県北九州市に建設中のアジアン・フロンティア(ソフトバンクIDC提供)
写真2●福岡県北九州市に建設中のアジアン・フロンティア(ソフトバンクIDC提供)
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●アジアン・フロンティアの外観予想図(ソフトバンクIDC提供)
写真3●アジアン・フロンティアの外観予想図(ソフトバンクIDC提供)
[画像のクリックで拡大表示]
■変更履歴
2008年秋に開業するデータ・センターは1期分2棟ではなく、1期分2棟のうち1棟です。お詫びして訂正します。本文の記述については修正済みです。 [2008/07/29 19:20]