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写真●i2テクノロジーズ・ジャパンの古田興司社長
写真●i2テクノロジーズ・ジャパンの古田興司社長
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「当社のSCM(サプライチェーン・マネジメント)ソフトが日本に上陸して12年になる。一時期は盛り上がりを見せたが、その後長い眠りに入っていた。目を覚まさせ、もう一花咲かせたい」。2008年7月1日にi2テクノロジーズ・ジャパンの代表取締役社長に就任した古田氏は意気込む。松下電器産業、モトローラ、デル、UCC上島珈琲と国内・外資のメーカーとユーザー企業での経験をどう生かすかを聞いた。(聞き手は、二羽はるな=日経コンピュータ)

「眠っている」という意味は。

 かつて、当社製品をはじめとする計画系SCMソフト全盛の時代があった。当時は企業にとって、SCMソフトは「ブランド」のようなものだった。このころSCMソフトを導入し、使いこなすことのできた企業は、今でも当社の製品を利用している。アクティブなユーザーは日本で約40社いるが、いずれも長年のユーザーだ。

 一方でブームに乗って、目標が明確でないままSCMソフトを導入し、使いこなせない企業もあった。このため、一部の企業から「思うような効果を得られない」と思われてしまった。導入作業を担当したシステム部門の担当者が異動してしまい、その後利用されなくなった例もある。

 そのうちにSCMソフトのブームは去った。日本法人の売上高は全世界の10%弱程度で、業績はここ数年横ばい傾向。新しい顧客を獲得できていないのが現状だ。

どう挽回していくのか。

 とにかく新規顧客の獲得を目指す。特に製造業にSCMソフトをもっと活用してもらいたいと考えている。

原油高や原材料費高騰など、製造業を取り巻く状況は厳しいが。

 だからこそチャンスがあるとみている。そもそも、企業の最終製品にあまり差がつかない時代になっている。そこに原油高、原材料費高騰が直撃した。単純に商品の売価をつり上げるだけでは、競争に勝てない。

 製造業は必然的に、製造、調達から流通に至る「オペレーション」に目を向けざるを得なくなる。オペレーションのプロセスを改善し、ムダなコストを削減する必要がある。SCMソフトはこうしたオペレーションの改善に威力を発揮するとみている。

i2ジャパンをどう舵取りしていくか。

 強みであるSCMの核の部分をもっと増強したい。i2の財産は、SCMソフトを各業界のリーディングカンパニーに納めている実績と、この実績を支えた知識・スキルのあるコンサルタントだ。

 当社には現在約60人のスタッフがいる。多くはコンサルタントだ。彼ら・彼女らは専門性の高い、とても優秀な人材だと自負している。こうした人材が最大限の力を発揮できるように組織を運用することが私の仕事だと考えている。

 いずれはスタッフを増やしたい。まずは現在のスタッフを“オーバーアチーブ”な人材に育成していく。

オーバーアチーブな人材とは?

 「期待を上回る成果を上げる」人材のことだ。オーバーアチーブとは私が作った言葉で、設定した到達点に行き着くのにとどまらず、さらに上回る点まで到達することを指す。

UCC上島珈琲の取締役副社長、服飾繊維メーカーである三景の代表取締役社長など、ユーザー企業でのマネジメントを経験をどう生かすか。

 クライアントになるユーザー企業のトップと話すときに、経験が生きるだろう。三景時代には子会社19社の会計システムを統合するプロジェクトに携わった。このときは、IT業界にいたときの経験をユーザー企業で生かした。今度は逆に、ユーザー企業での経験をIT業界で生かせると考えている。

直近の目標は。

 個人的には年内を目標に「新しい意味でのSCM」を打ち出したい。SCMという言葉はもう10年以上前からあり、多くの人の手あかがついている。イメージを一新し、もっと注目を集めるような新しいフレーズを考えていきたい。

 パートナー企業との協業についても、柔軟に考えていきたい。顧客は個別の製品というより、トータルのソリューションを求めているからだ。

本誌注:本インタビュー後の2008年8月11日、米JDAソフトウェアが米i2テクノロジーズを約3億4600万ドル(約380億6000万円)で買収すると発表した。買収完了は08年第4四半期を予定している。日本法人については未定。JDAソフトウェアは06年にi2のライバルだった米マニュジスティックスを買収している。