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 エーオン コンサルティング ジャパン(東京都千代田区)は、リーダー人材育成など企業の人事戦略に関するコンサルティング会社として世界的に知られる米エーオン コンサルティングの日本法人だ。現在102カ国に計200カ所以上の拠点を構え、約6500人のコンサルタントが1万社以上にサービスを提供しているが、日本での知名度は高いとはいえなかった。米本社の経営陣の顔ぶれががらりと変わり、4月から日本市場で本格的な事業展開を始めた。これを契機に日本代表としてヘッドハントされてきた大滝令嗣氏に、同社ならではの強みや日本企業が抱えるリーダー人材育成に関する課題を聞いた。

(聞き手は、杉山 泰一=日経情報ストラテジー

エーオン コンサルティング ジャパンの大滝令嗣・日本代表

ヘイ コンサルティング グループ(東京都港区)やマーサー ジャパン(東京都新宿区)など、米国に本社を置いてグローバルに事業展開する大手人事戦略コンサルティング会社は、既に日本に何社か存在しています。エーオンならではの強みは何でしょうか。

大滝:米国系の会社を含めて多くの人事戦略コンサルティング会社は、日本企業の日本国内での人事制度改革に注力しています。一方、当社はグローバルに展開しているエーオンの拠点も活用し、真にグローバル企業への脱皮を狙っている日本企業の人事戦略を支援するつもりです。

 真のグローバル化とは何か。それは、「トランスナショナルビジネスリーダー」を育成する仕組みを持ち、またそうしたタイプのリーダー人材がきちんと評価される仕組みを持つ企業になることです。

 トランスナショナルビジネスリーダーとは、多国籍のメンバーに対してビジョンと明確な方向性を示すことができ、コミュニティーづくりもでき、さらに様々なステークホルダーに価値を提供し続けることができる人材を指します。そのためには、異文化コミュニケーションスキルとマネジメントスキルに長け、会社運営に関する知識も必要です。語学力も欠かせません。

 これらの要素をすべて満たすリーダーはなかなかいません。日本人のリーダーは特にそうです。実際、欧米系のグローバル企業で幹部ポストに就いているアジア人の中では、インド人が圧倒的に多く、中国人も目立ちます。ところが日本人は少ない。一般に、日本人は日本本社ばかりを見て仕事をし、現地スタッフを使いきれない。だから、赴任地でヘッドハンターから声のかかる人材はごく少数に限られています。

この4月以降、既に日本の大手上場企業数社に対して、トランスナショナルビジネスリーダー人材の育成プログラムを提供しているそうですね。

大滝:これまでに、海外拠点の優秀なトップやマネジャーなどを日本企業の国内本社に集めて、日本の部長クラスの人たちとともに1日8時間ずつ計1週間の育成プログラムを提供してきました。この育成プログラムでは私がファシリテーター役を務めて、その企業の実際の事業戦略と密接なテーマを扱い、彼らに課題解決策を練り上げてもらいました。彼らが数カ月後、社長に事業計画を披露することになっています。

 このプログラムでは、戦略理論やマーケティング理論をレクチャーする時間もあります。MBA(経営学修士)を取得している海外のリーダーなどと比べて日本のリーダーはこうした知識が不十分であるケースが多いからです。また、国内外の幹部候補生が一堂に会することによって、その企業の理念や社風を再認識できたり、人的ネットワークを形成できたりするメリットがあります。人材のグローバル化は、日本人だけでやっていてもなかなか進まないのです。

 日本企業が今後も成長し続けるためには、真のグローバル化が欠かせません。そうでなければ躍進し続けるアジア地域のなかで、日本市場や日本企業は相対的に地位が低下していきます。日本企業の当面の人事戦略のゴールイメージは、中国人やインド人の部下を率いることができる日本人リーダーを増やすことです。そのためには、例えば中国人やインド人の価値観や文化を知ることも必要です。