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 動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営するニワンゴは12月4日,都内でイベントを開き,同サイトの新サービスなどを発表した(関連記事)。公認動画提供元にJASRACも加わり,今後の課題となる「一般化」に向けて前進した。新サービス提供の狙いや今後の黒字化について,ニワンゴ 代表取締役社長 杉本誠司氏に聞いた。

(聞き手は,島田 昇=日経コミュニケーション

ニワンゴ 代表取締役社長 杉本誠司氏
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12月4日に発表した新サービスの狙いは。

 これまで31社だった公認動画提供社数を大幅に増やしてまとめた「ニコニコチャンネル」は,利用者の裾野を広げて黒字化に近づけるための施策だ。これまで,動画を十分に楽しめる利用者は,アニメやゲームなどネット上で盛り上がっているネタを知っているユーザーに限られていた面があった。ニコニコ動画の本質的は「動画にコメントを付けることで発生するコミュニケーション・ツール」だ。このコミュニケーションを誰でも楽しめる動画でもできるようにする。その流れを,ニコニコチャンネルによって加速する。

 今回,JASRAC(日本音楽著作権協会)がここに加わることは,当社が著作権侵害コンテンツで権利者との間に確執があると考える人たちにとって衝撃を与えただろう。ほかにも,フジテレビジョン,有力アニメ制作のゴンゾなども参加する予定で,早い段階で社数を3桁に持っていきたい。

 ユーザー視点と権利者視点の両立は最も難しいが,そこで重要なのは双方への説明責任だ。ニコニコ動画は“ユルい”プラットフォームの上に成り立つユルい文化だが,そこだけは大真面目にやっていく。公認動画提供者数の拡大は,「最強最大の後ろ盾となるユーザーが集まってくるので,ニコニコ動画で何かをやった方が得策」と多くの権利者に思ってもらえるようになった結果だろう。

 一方,権利者からの削除依頼には応じなければならない。「駄目なものは駄目なので,さっさと切り替えて新しい世界に行こう」と提案していく。生放送をユーザーができるようになる「ニコニコユーザー生放送」も,ニコニコ動画における新しい楽しみ方を提案する手法の一つだ。生放送はリアルタイム・コミュニケーションという新たなツールになるため重視している。既存の生放送イベントの視聴制限者数も2万人に倍増する。

 まだデザインを詰めている段階だが,あるテーマについて数万人単位でチャットができるサービス「ニコニコ広場」も,新しい楽しみ方の一つとなるだろう。動画作成支援ツールも機能強化し,動画素材を加えるほか,ボーカロイド「初音ミク」のようなテキスト情報を歌ったり読み上げたりできる機能も加える。