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SD Association Marketing Co-Chairの中野一典氏
SD Association Marketing Co-Chairの中野一典氏
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 携帯電話、デジタルカメラ、テレビなど、今や大抵のデジタル機器で使えるようになったSDメモリーカード。その記録容量がさらに増える。業界団体のSD Associationは2009年1月7日、2TBまでのデータを記録できる新規格「SDXC」を発表した。同時に、同団体はSDメモリーカードの転送速度も向上させる。これらの技術進歩によって、SDメモリーカードの可能性はどう広がるのか。SD Associationのマーケティング共同議長を務める中野一典氏に話を聞いた。

そもそもSD Association(SDA)とはどのような組織なのですか。

 SDメモリーカードの規格を標準化するための組織で、2000年にパナソニック、サンディスク、東芝の3社が母体となって設立しました。現在の加盟企業は1150社です。SDAでは、SDメモリーカードの規格についてさまざまなワーキンググループを作り、加盟各社から参加を募って新技術の開発や検討などをしています。

新たに発表された規格「SDXC」とはどんなものですか。

 SDXCの「XC」とは「extended capacity」の略で、大容量化を図った規格です。従来のSD、SDHCはファイルフォーマットにFATを採用。記録容量はSDが8M~2GB、SDHCが4G~32GBでした。SDXCではファイルフォーマットとして新たにexFATを採用し、記録容量を64G~2TBとしています。

 これに、著作権保護対策の規定などを加えて、近々最終的な仕様を固めます。年内には64GBクラスのSDXCメモリーが発売される見通しです。

64G~2TBとは大容量ですが、どんな用途を想定しているのでしょう。

 ハイビジョン画質の動画やゲームが中心になるでしょう。今後はデジタル放送も本格的に始まりますし、デジタル機器で扱うデータの容量はますます大きくなるので、記録媒体であるSDメモリーカードもそれに対応しなければなりません。

 光ディスクの代替用途も考えられます。現在、映画などのパッケージソフトは光ディスクに収録して販売されていますが、いずれはユーザーが自分の好きな媒体を選んでコンテンツを購入、保存できる時代が来るかもしれません。SDXCがそのときの選択肢の一つになるようにしたいと思います。

 価格がどこまで下がるかにもよりますが、組み込みの用途も考えています。現在はハードディスクやSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)などが担っている役割ですね。例えば、デジタルビデオカメラの内蔵メモリーをSDXCにする。すると、内蔵メモリーに大容量のデータを蓄積できることになります。ここからデータを外部に取り出すときに、SDHCカードを使うのです。。

SDXCと同時に、SDメモリーカードの転送速度の向上についても発表がありました。

 転送速度の高速化は、SDXCの規格とは別に、新たに実現する技術です。現行のSD、SDHCの転送速度はバスインタフェースのレベルで最大25MB/秒ですが、最大50MB/秒、もしくは最大104MB/秒に向上します。将来的には300MB/秒に向上する計画です。これは、SDXCだけでなく、既存のSDHCにも適用されるので、今後は現行速度の2~4倍、将来的には10倍以上も高速なSDメモリーカードが登場するでしょう。

 正直なところ、私としてはSDHCの高速化の方がユーザーメリットは大きいように思います。もちろんSDXCによる大容量化も重要です。ただ、一般のユーザーがSDメモリーカードをよく使うのは、デジタルカメラや携帯電話などの機器。そう考えると、今後も最も頻繁に使われるのはSDHCレベルの容量、4G~32GBになると思います。

 例えば最近のデジタルカメラは、画像をRAWデータで保存できる製品が増えています。また、高速連写機能を備えたデジタルカメラも出てきました。こうしたデジタルカメラでは、一度に保存するデータの容量が大きくなりますから、SDHCカードの転送速度が高くなると使い勝手も向上するでしょう。SDXCはもちろん、SDHCについてもさらに発展すると考えています。

■変更履歴
記事公開当初、最後の質問で転送速度の単位を「Mbps」としていましたが、MB/秒の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2009/01/22 19:55]