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 PTCジャパンは2009年1月26日,PLM(製品ライフサイクル管理)のための新製品「Windchill ProductPoint」を日本で正式発表した。同製品はCADデータなどを企業内やワークグループ内で共有するための機能を提供するもの。Officeドキュメントを共有・管理するためのプラットフォーム「Microsoft SharePoint」をベースとしているのが特徴だ。Windchill ProductPointが提供する機能,リリースの背景などについて,米PTC Vice President of Product ManagementのLee Garf氏に話を聞いた。

(聞き手は羽野 三千世=ITpro


Windchill ProductPointはどのような製品か。

米PTC Vice President of Product ManagementのLee Garf氏
米PTC Vice President of Product ManagementのLee Garf氏
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 Windchill ProductPointは,SharePointに,CADなどの構造化データを扱う機能を追加する製品だ。SharePointは単体のOfficeドキュメントを共有・管理することには優れているが,ファイル同士が関連付けられた構造化データを扱うことができないため,製造業におけるアッセンブリ(いくつかの部品が組み合わさったセット)の考え方が実現できない。同製品はこの課題を解決し,SharePointをPLMに適した環境へと変化させる。

 PTCのCAD製品「Pro/ENGINEER」だけでなく,他社製のCADファイルも扱うことができるのが同製品の特徴の1つだ。ユーザー企業はIT統合を進められる。

 また同製品は,共有されるCADなどの設計データを2次元・3次元でビジュアル表示する機能をSharePointに組み込む。ユーザーは,属性や名称からだけでなく,視覚的に設計データを検索できるようになる。

具体的に,Windchill ProductPointは開発者のどのようなニーズに対応するのか。

   例えば,設計データを共有フォルダで管理している場合のグループワークを考えてみよう。1人の作業者があるアッセンブリでデータを開くと,他の作業者は同じアッセンブリのデータを編集することができない。同時に作業するために,各作業者がアッセンブリからローカルへデータをコピーするようになると,大量のコピーが発生する。管理が煩雑になるだけでなく検索性が非常に悪くなる。Windchill ProductPointには,設計データの編集をロックする機能がある。誰がロックしたのかはワークグループの全員が分かるため,例えばメッセンジャーで連絡を取り合うなどして,作業を効率的に進められる。

日本ではSharePointの業務利用がそれほど普及していないように思われるが,Windchill ProductPointの日本での販売戦略を教えてほしい。

 日本でSharePointの業務利用が普及していないということはない。SharePointの導入率を見ると,日本は世界でトップ5に入っている。実際に,どのレベルで業務利用されているかは分からないが,我々は,近い将来には間違いなく利用が拡大すると確信している。Windchill ProductPointの日本市場での販売戦略は,まずSharePointのユーザー企業をターゲットにしている。またPTCのCAD製品のユーザーで,設計ファイルをフォルダ管理している企業もターゲットとする。

Windchill ProductPointはどの程度のコスト削減効果があるのか。

 まず,既存または新規のSharePointサーバー上に導入できるため,TCO(総所有コスト)を低減できる。次に,検索時間の短縮,上書きなどのミスの減少で,開発工数を10~20%削減する効果が期待できる。Pro/ENGINEERとWindchill ProductPointを導入した米Hess Services社は,開発コストを50%削減したと聞いている。

 図面の取り違えで開発を進めてしまうというミスは,共有フォルダで設計データを共有している製造業の開発現場では頻繁に起こるものだ。このミスによる損害は1回1万ドルに及ぶこともある。Windchill ProductPointを導入すれば,このミスを劇的に減らせるだろう。