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CMOワールドワイド代表取締役社長 加茂 純氏
CMOワールドワイド代表取締役社長 加茂 純氏
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 「100年に一度」ともいわれる不況下、企業の広告・宣伝・販促費は大きく削られ、マーケティングの費用対効果に対する目が厳しくなっている。費用対効果を高めつつ効果的なマーケティングを実現するにはどうしたらよいのか。経営戦略コンサルティングやマーケティング投資のアドバイスなどを手掛けるCMOワールドワイド代表取締役社長の加茂純氏に話を聞いた。

 加茂氏は、書籍「費用対効果が23%アップする 刺さる広告」の著者でマーケティングROI(投下資本利益率)の第一人者とも評される米マーケティング・エボリューションCEO(最高経営責任者)のレックス・ブリッグス氏と親交が深い。加茂氏はブリッグス氏のノウハウを日本で紹介しており、同書の監訳者も務めた。

 ブリッグス氏は、日経ネットマーケティングが開催する「NETMarketing Froum 2009」のキーノートパネルに参加することが決定している。くわしくはこちらへ。
(聞き手は、杉本 昭彦=日経ネットマーケティング

マーケティングのROIに高い注目が集まっている。

 企業はマーケティングの効率化、最大化に悩んでいる。代理店、メディアも含めて、(企業の業績に)どう貢献していくのかが大きな課題になっている。最終的な目標は売り上げに結びつけることであり、広告や販売をどう効率化していくかだ。

 しかし、一度にすべてを解決するのは無理だ。製造業でも、製品を作って、お客さんの意向を聞いて、見直しをして“カイゼン”するという歴史を踏んで今に至っている。その考え方はマーケティングを含むすべての分野に適用できる。最初からいいものはない。広告もカイゼンを繰り返しながら、正しい方法をつかんでいくものだ。

 その意味では、実施中の広告やコミュニケーションは、その次の布石とも考えられる。布石とするためには各段階における評価が必要。良かったところ、悪かったところを把握して次につなげるという単純なことだ。

具体的にはどうやって分析、検証していくのか。

 コミュニケーションの過程を分解して、各段階のKPI(重要業績評価指標)を設定して検証しないといけない。

 「刺さる広告」でも取り上げたが、コミュニケーションを分解すると四つの「M」になる。各段階での分析、検証が求められる。

 一つ目のMは「モチベーション」で、お客様が何を求めているかを把握すること。意外とあいまいにしているものだ。それをつかむと、次のMである(広告の)「メッセージ」が的確かどうかが分かる。3番目のMは「メディア」だ。モチベーション、ターゲットに対してふさわしいメディアというものがある。

 最後は「マキシマイゼーション」。これはメディア、メッセージ、モチベーションを総合して、企業が求めている目標に適したものを見つけるという一番難しいことだ。

 従来、マーケティングROIは認知、リーチをベースに考えてきたが、むしろ購買に近いところをベースにしないといけない。購買意欲、理解や親しみといったファクターだ。例えば、飲料では1週間でどれくらい飲むか、ケータイなら3カ月以内に買い換えたい人の比率などだ。その指標がキャンペーン後に上がっているかどうかを明確にする。

 検証の結果、メディアによっては購買意欲の向上に結びつかないことがはっきり分かる。その投資は減らさないといけない。反対に、例えば新聞との親和性が高いと分かればその比率を高める。それがマキシマイゼーションの考え方だ。