PR

 FlashやAIRといったクライアント向けの技術で注目されることが多いアドビシステムズだが,エンタープライズ向けのサーバー・ソリューションにも力を入れている。その中核となる製品のひとつが,「Adobe LiveCycle Enterprise Suite」だ。米Adobe SystemsでTechnology Evangelistを務めるDuane Nickull氏に,アドビのエンタープライズ向けサーバー製品の強みと普及への取り組みについて聞いた。

(聞き手は矢野 りん=ライター)


米Adobe SystemsでTechnology Evangelistを務めるDuane Nickull氏
米Adobe SystemsでTechnology Evangelistを務めるDuane Nickull氏

アドビシステムズに参加した経緯は?

 私が在籍していたYellow Dragon Software(以下YDS)というSOAのレポジトリを扱っている会社が2003年に,アドビに買収されたことがきっかけです。この買収でアドビはエンタープライズ分野の技術を強化しました。

その技術は現在,アドビ製品のどこに入っているのですか?

 アドビのエンタープライズ・サーバー・ソリューション「Adobe LiveCycle Enterprise Suite(以下,LiveCycle ES)」です。LiveCycle ESのアーキテクチャは五つの層に分かれます。ひとつはサービスの層。二つ目はクライアントのレイヤー。三つ目はデザイナとデベロッパ向けのツール。四つ目がガバナンスとワークプレイスのツールです。YDSの製品はひとつめのサービス層におけるSOAアーキテクチャのバス(ESB:エンタープライズ・サービス・バス)として取り込まれています。

エンタープライズにおけるサービス部分の技術は標準化が進んでいるので,競合他社との差異化を図りにくいのでは? LiveCycle ESのESBが持つ優位性を教えてください。

 アドビが2003年の買収でレジストリの技術を取り込むことによって,従来から提供してきたデベロッパやデザイナの利用するツール群と,エンタープライズのサービスが協調可能な状態になり,処理の自動化まで可能になったという点がひとつです。よりユニークな点は,コア部分にISO仕様のPDFドキュメントを活用する技術を備えている点でしょう。

 すでに10年ほど前から,多くの企業がPDFをビジネスに活用しており,現在は業務プロセスの一部としてPDFを活用したいというニーズが存在します。LiveCycle ESを利用すれば,コアのサービスと既存のシステムを接続するだけで,PDFの運用が可能になるのです。

 アドビはユニークな立ち位置にいます。こうしたサーバーのテクノロジーを持っている一方で,認知度の高いクライアント・テクノロジも持っています。例えばAdobe ReaderやFlash Player,Adobe AIRがそうですね。デベロッパに提供しているツールでは,サーバーとクライアント両方の挙動を把握できます。アドビはエンタープライズ市場ではまだ認知度が低いという認識もありますが,サーバー製品でありながらスクリプトなしで直感的にサービスの設定ができるLiveCycle ESの機能は,優位性が高いのではないでしょうか。