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 個人間の融資を仲介するサービス「ソーシャルレンディングサービス(またはP2P融資サービス)」を2008年10月中旬に日本で初めて展開したのがマネオ(東京・千代田区)だ。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて、貸し手と借り手を結びつけている。マネオ代表取締役社長の妹尾賢俊氏に、開始して4カ月が経過した同サービスの立ち上がり状況や今後の展望を聞いた。

 妹尾社長は三菱東京UFJ銀行出身。法人向け融資を担当していたが、個人向けは融資金額の制限が厳し過ぎるという問題意識を持っていた。教育ローンであっても「学費は良くても塾への費用は駄目」といった厳しい制限があるものがほとんどなのが現状という。ソーシャルレンディングサービスなら、小回りが利き、より低い金利で個人が融資を受けられるため、将来有望と見る。サービス開始から4カ月で約3000人の会員登録者(未審査会員含む)を集め、融資残高は2009年2月上旬時点で2600万円。これを2011年に融資残高300億円、借り手は現在の約130倍である4万人に伸ばす目標だ。


マネオの代表取締役社長を努める妹尾賢俊氏

仕組みや利用ルールはどのようなものか

 「レンダー」と呼ぶ貸し手と「ボロワー」と呼ぶ借り手がいて、2009年2月上旬でそれぞれ約1200人、約300人いる。どちらも利用開始に当たって当社で審査を受ける必要がある。

 レンダー(貸し手)についてはマネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されないよう審査する。ボロワー(借り手)1人に対して20万円までしか融資できない。貸し倒れリスクを減らすとともに分散投資を促すためだ。上限の20万円については融資残高の伸びを見ながら変更することも検討している。

 ボロワー(借り手)に対しては、多重債務を防止している。年収300万円以上が登録条件で消費者金融の融資残高によって融資できる上限が決められる。年収から消費者金融などの借入額を差し引いた3分の1が上限になる。年収の3分の1以下に抑えるよう金融庁から指導を受けて利用条件を決めた。

 利用可能になると、まずボロワー(借り手)がSNS上で希望額や借り入れ目的、返済期間、金利などを設定しレンダー(貸し手)からの融資を募る。これまで設定された金利の平均は年8%で、募集から平均5日程度で目標希望額に達している。

景気下降は、ソーシャルレンディングにどのような影響を与えているか

 2009年になってから高収入者がボロワー(借り手)となって融資を希望するケースが増えてきた。証券市場の暴落によって、手元資金が不足した分を補おうとしているようだ。1件あたりの融資額は、ほぼ事業開始前の想定どおりの74万7000円。融資期間は平均15カ月と、事前の想定の半分となっている。当社にとって回転が早いのは良い傾向だ。2009年2月現在、返済遅れは、1件も発生していないが、最悪でも焦げつき額は融資残高の3%以下に抑えるよう、利用条件を調整していく。

融資残高を伸ばすための課題は何か

 ボロワー(借り手)がレンダー(貸し手)にアピールしきれていないケースがある。金利がレンダー(貸し手)に魅力的でなかったり、目的内容が不明瞭で伝わっていなかったりするケースだ。SNSのスペースには「資産運用勉強会」といったコミュニティーがあり、融資実績が多いレンダー(貸し手)が相談に乗るなど会員同士で教えあう風土が出来上がりつつある。融資残高を増やすためにも、ボロワー(借り手)を教育することは重要だ。効果的な書き方を添削する勉強会の開催といった啓もう活動も考えている。

2011年に融資残高300億円という目標の達成可能性はどのくらいか

 十分可能だ。2009年春には、ボロワー(借り手)向けに世界で初めてといえる新サービスを投入する。このサービスによって融資残高は年内に数十億円伸びるとみている。市場をみても、潜在的な需要は大きい。この目標は消費性ローン(住宅ローンを除いた個人向けローン)の残高が国内で7兆~8兆円規模あるといわれることから弾き出した。融資期間を勘案すると毎年1兆円程度が融資されていることになり、その1%を取っていけば、2011年には300億円になる勘定だ。認知度向上が課題だが、米国ではお金を借りようとする個人の3割程度が、ソーシャルレンディングを活用したいと考えているという調査結果もある。

国内でまだほかに参入企業はないが今後はどうなると見ているか

 競合他社の参入は望むところ。SBIホールディングスが米プロスパー・マーケットプレース・インクと合弁会社を設立済みだが、競合他社が参入すればソーシャルレンディングの認知度向上はさらに進むだろう。