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「PCはオフラインでもオンラインでも使う」ジェフ・レイクス氏 米マイクロソフト プレジデント(企業向け製品事業担当)

「グーグルの方が遅れています。オフライン時にも作業がしたい人はたくさんいるでしょう? ソフトウエアだけでも、サービスだけでも、ユーザーのニーズに応えることはできません」。米マイクロソフト幹部のジェフ・レイクス氏はこう断言する。レイクス氏は、スティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)に次ぐ古参。Office製品群をWindowsに並ぶブランドに育てた立役者で、企業向け製品やサービス群の責任者を務める。Windows Server 2008の展開や、マイクロソフトが掲げる「ソフトウエア+サービス」戦略の現状を聞いた。

(聞き手:玉置 亮太=日経コンピュータ、写真:中島 正之)


マイクロソフトは4月からサーバー向けOS「Windows Server 2008」を出荷開始しました。OSの機能より、「企業のIT基盤を作り直す」というビジョンを強くアピールしていますが、その意図は何でしょうか。

 Windows Server 2008は、当社の次世代IT基盤のビジョン「Dynamic IT」の実現に向けた、重要なステップとなる製品です。Dynamic ITとは、経営目標に沿ってコンピュータ資源を容易に、かつ迅速に活用できるようにする考え方です。当社はこのDynamic ITを通して、ユーザー企業が経営目標を達成できるよう支援したいのです。

 往々にして、企業のIT予算の多くはシステムのメンテナンスと運用に費やされています。その割合は8割とも言われています。ソフトウエアにもっと働いてもらって、この無駄な投資の現状を変えてもらう必要があります。そこでWindows Server 2008では仮想化技術「Hyper-V」を実装しました。ユーザー企業はHyper-Vを使うことで、容易にサーバー資源を統合できます。

 Dynamic ITの要素技術は、仮想化だけにとどまりません。マイクロソフトの研究所では自己治癒能力を備えたサーバー・クラスタリングを研究しています。処理の負荷に応じてサーバーを自動的に追加し、それぞれのサーバーにかかる負荷を平準化できるようにします。これらは近い将来、当社製品に反映されることになるでしょう。

Dynamic ITの中心となる仮想化技術には、すでに米ヴイエムウェアという先行企業がいます。マイクロソフトはどう食い込んでいくのですか。

ジェフ・レイクス氏

 ヴイエムウェアの製品は非常に高価で、しかも導入作業が複雑です。今日、全世界にあるサーバーのうち仮想化技術を使っているものの割合は、5%に過ぎません。つまり、95%も仮想化技術を利用してもらう余地があるのです。

 マイクロソフトのアプローチは、仮想化技術をサーバーの設計や運用の「メインストリーム」にすることです。別々に仮想化ソフトとOSを購入して後から統合するのではなく、製品に統合しておくことで簡単に利用し始められる形にしました。特別なスキルを持つ一部のスペシャリストのための、オプションの技術にとどめるのではなくてね。Windows Server 2008のHyper-Vによって、仮想化技術の利用層を劇的に広げたいと思っています。

要するにHyper-VならばWindows Server 2008を購入するとタダに近い価格で使えるから、顧客はハッピーということ?

 そうです。Hyper-VはWindows Server 2008の標準的な構成要素です。

 標準機能とはいえ、決して手を抜いているわけではありません。Hyper-VはWindows Serverと同じルックアンドフィールとGUIを持っています。多くのITエンジニアにとってなじみの深い使い勝手を提供することで、仮想化技術を“民主化”します。他社の仮想化製品は、一握りのプロフェッショナルが使うものとして高くついています。