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「次の時代もシリコン・パートナーでいたい」Intelの企業向け事業総責任者語る  パット・ゲルシンガー 氏 インテル 上級副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長

クライアント管理技術や,特定の用途に向けたコプロセッサに着手しているインテル。汎用的な部品ではなく,“悩みを解決する技術群”に手を広げているのはなぜか。「顧客の『シリコン・パートナー』であり続けたい。そうすれば次の時代も確実に生き残れる」。こう意図を語るのは,企業向け事業の責任者であるパット・ゲルシンガー氏。同氏に,インテルの狙いを聞いた。

(聞き手は玉置 亮太,高下 義弘=日経コンピュータ,写真は宮原 一郎)


最近インテルが始めた新しい技術の代表例と言えるのが,クライアント管理技術の「vPro」です(関連記事)。昨年発表し,大手パソコン・メーカーが搭載機を投入しましたが,立ち上がりが鈍く,導入ユーザーの姿がまだ見えない印象があります。

 すでにBMWや保険のINGグループがvPro搭載パソコンを導入し,その効果を実感していただいています。日本でも富士フイルム・グループをはじめとした企業で,導入を順次進めていただいています。

 ですが,vProの立ち上がりが鈍いという見方は,特に日本市場では確かにその通りだと思います。理由は,vProはこれまでデスクトップ・パソコンにしか搭載されていなかったからです。日本ではノート・パソコンの普及率が高い。欧米などほかの地域ではデスクトップ・パソコンが3分の2を占めているのに対し,日本では逆にノート・パソコンが3分の2を占めます。ですから,日本ではvProの浸透スピードが少し遅くなってしまったと認識しています。

 いよいよ,ノート・パソコン向けにもvProを投入します。今回発表したノート・パソコン向けプラットフォーム「Centrino Pro」は,デスクトップのvProに相当するvPro関連の機能を搭載しています(関連記事)。LANケーブルを挿さない,つまりワイヤレス通信でもパソコンを管理できるように,従来のvProを拡張しています。無線LAN経由でノート・パソコンにOSのパッチを適用する,ということも可能になります。

無線でノート・パソコンの情報を取得

電源がオフの状態でも,無線LAN経由でノート・パソコンの構成情報を取得できるのですか。

 完全に電源オフの状態では無理ですが,そのノート・パソコンがサスペンド(休止)状態であれば,ワイヤレス通信で情報を取得できます。vProのマネジメント機能は,パソコン本体とは別の電源管理下にありますので。

 ITマネジャの方々の中には「ノート・パソコンのバッテリーの消耗が早くなる」と言う方がいらっしゃるかもしれません。ですがそこは管理コストとの兼ね合いでしょう。Centrino Proによる管理コストの削減効果は,電力関連のコスト増加に十分見合うはずです。

 パソコンの管理機能を強化するvProテクノロジーは,さまざまな立場の人々がそのメリットを享受できます。まず一番のメリットを享受できるのが,企業のITマネジャです。言わずもがなのことですが,企業のITマネジャはクライアント管理にまつわる様々な問題に頭を悩ませています。ITマネジャは管理機能を強化したvPro搭載パソコンを採用することで,クライアント・プラットフォーム全体の品質を高められます。ウイルスに感染したパソコンをリモート操作で隔離し,駆除し,社内ネットワークに再度つなぐといった,これまで不可能だったことが実現できるのです。

 そもそも,ITマネジャの仕事は何でしょうか。インフラそのものの管理はもちろん大事なことですが,本来であれば,ビジネスチャンスをつかめるインフラを考え,具体化することです。ITマネジャはvProという管理テクノロジーを導入することで,本来の仕事に集中できるようになります。