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 米FalconStorは,仮想ストレージ・ソフトをベースとしたCDP(継続的データ保護)ソフトやVTL(仮想テープ装置)ソフト,データ重複排除機能などを提供するベンダーである。CDPでは,インターネットを介してアクセス可能なiSCSIストレージ・ボリュームをミラー・ディスクとし,変更があったデータを常時ミラーリングする。システム障害時にはミラー・ディスクを利用して待機サーバーを立ち上げる。6月4日には日本法人がSaaS型CDPサービス「RecoveriOn Demand」を発表。ITproは,来日中のCEOに,CDPソフトをSaaS型で提供する意義を聞いた。

(聞き手は日川 佳三=ITpro


米FalconStor Softwareで会長兼CEOを務めるReiJane Huai氏
米FalconStor Softwareで会長兼CEOを務めるReiJane Huai氏
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SaaS型CDPサービス「RecoveriOn Demand」を用意した理由は何か。

 日本においては,これまでは買い取り型のライセンスしか用意していなかった。今回新たに,FalconStorのCDP(継続的データ保護)ソフトをSaaS型で提供したい事業者向けのライセンスを用意した。SaaS事業者からもらうソフトウエア利用料金のことを,便宜的に“サービス・ライセンス”と呼ぶことにしよう。

 サービス・ライセンスの下では,FalconStorからSaaS事業者に対して,SaaSを利用するユーザー企業の契約利用量に応じて,オン・デマンドで課金する。これによりSaaS事業者は,ライセンスに関して初期費用をかけることなく,SaaS事業を始めることができる。ユーザーが支払う月額の利用料金の一部を,SaaS事業ライセンス料としてFalconStorに支払うイメージだ。

 手軽に参入できるのだから,SaaS事業者が増える。結果的にFalconStorのソフトウエアを利用するユーザー企業も増える。これがSaaS型モデルを投入する狙いだ。積極的にSaaS事業者を増やす施策として,2009年6月10日には「フランチャイズ型支援プログラム」を開始する。

 フランチャイズ型支援プログラムでは,プラットフォーム・インフラや人材の整備,価格設定/収支計算の支援など,事業計画全般をサポートする。初年度10社,次年度20社へのフランチャイズ展開を計画している。SaaSを利用するユーザー企業は,今後2年間で,中小企業を中心に約2000社を見込んでいる。

SaaSの利用企業から見た,利用料金のイメージは。

 日本では,中小企業向けのアピールとして,エントリ構成では「月額10万円から」とうたっている。だが,エントリからハイエンドまで,提供できるサービスの幅は広い。個々のSaaS事業者によってまちまちということだ。CDPサービスを提供するには,サーバー/ストレージやデータセンターのセキュリティなど,CDPソフトウエアの利用料金以外の要素が大きいからだ。ソフトウエアの料金が占める割合は,微々たるものだろう。

CDPの主流は,遠隔地へのデータ・コピーで災害対策とする使い方だが,実際にLAN内での利用よりもWAN経由の利用が多いのか。

 遠隔地へのデータ・コピーが主流であり,実例も多い。世の中に多数あるファイル・ベースのレプリケーション・ソフトでは,容量が1Tバイトを超えるとWAN経由のデータ同期が厳しくなってくる。だが,転送データ量が少ないFalconStorのCDPソフトなら大丈夫だ。1Tバイトを超えるストレージを,Bフレッツなどの低料金な回線でも同期できる。

 それが可能な理由を説明するために,CDPソフトの基本動作をおさらいしておこう。まずCDPソフトを使って,専用エージェント・ソフトのDiskSafeを導入したバックアップ対象サーバー機に対し,iSCSIでアクセス可能なミラー・ディスクを割り当てる。DiskSafeはCDPのためのデータ・バックアップ機能を備えており,変更があったブロックを常時ミラー・ディスクにコピーする。ブロック単位(クラスタを構成する個々のセクター単位)でコピーするため,ミラー・ディスクに送信する差分情報が非常に小さくて済む。