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 グリーンIT推進協議会は,2008年2月に電子情報技術産業協会(JEITA)や情報サービス産業協会(JISA)など,約120社の企業や団体が集まって発足した。2009年6月23日には,この1年半に及ぶ活動成果を一般公表する報告会が開催される。今回は,約20年先を見据えた製品ごとの技術ロードマップや,データセンターの省エネ性能を評価する新指標などが披露される。グリーンITに取り組む企業にとって見逃せない情報になりそうだ。報告会の要所と今後の活動について,事務局次長の長谷川英一氏に聞いた。

(聞き手は福田 崇男=日経コンピュータ高木 邦子=ITpro



グリーンIT推進協議会 事務局次長の長谷川英一氏
グリーンIT推進協議会事務局次長の長谷川英一氏
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2008年2月にグリーンIT推進協議会が発足してから約1年半。活動の成果をどう見ていますか。

 協議会の取り組みは大きく3つに分かれます。1つめは,グリーンITの普及・啓発。2つめは,グリーンITの技術ロードマップの策定。3つめは,グリーンITの省エネ効果を定量的に評価する“ものさし”を開発し,長期的な効果予測を行うことです。

 グリーンITという言葉は,この1年で産業界に広がり,内容もよく理解されてきました。協議会では,2008年7月の洞爺湖サミットの会場にゼロエミッションハウスを設けて日本の省エネ・環境技術を紹介したほか,IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC」ではセミナーやアワードを開催しました。そうした活動の成果が現れたのではないかと思っています。

技術ロードマップを策定する狙いは何でしょう。

 協議会には,素材から部品,民生機器や産業機器の最終製品に至るまで,様々なメーカーが結集しています。長期的な視野で技術の全体的な方向性とロードマップを示すことができれば,メーカーはそれぞれの開発において最適なタイム・スケジュールを組むことができる。例えば,半導体メーカーは,新プロセスの情報を装置メーカーと共有することで対応を促すといったことが考えられます。

 今回作成したロードマップでは,2008年から2025年までの18年間について,どの時期にどのような技術が実現し,どのような製品形態として現れるかを,製品ごとに詳細に予測しています。IT・エレクトロニクス機器や部品などのメーカーは,自社の技術開発戦略,製品開発戦略などを立てる際に,このロードマップを利用してほしいと思います。

データセンターの省エネ指標を開発するワーキンググループを2008年に立ち上げました。

 グリーンITの中でも,電力を大量に消費するデータセンターの省電力化は,重要な課題の一つです。データセンターの省電力化の指標では,米国の業界団体であるGreen Gridが提唱するPUE(電力使用効率:データセンター全体の消費電力をIT機器の消費電力で割った値)がグローバルにかなり普及してきています。しかし,PUEはファシリティ(設備)の効率を評価するにはよいのですが,IT機器を含めたデータセンター全体の効率を評価するには不十分と言われています。

 そこで,協議会では,データセンター全体の省エネ性能を評価するための新たな指標(DPPE=Datacenter Performance Per Energy)の開発に取り組んでいます。これは,有効活用電力効率,IT機器電力効率,ファシリティ電力効率,グリーン電力効率という4つの要素の関数で表します。PUEを補完する指標としてグローバルに普及させることを目指しており,定期的にGreen Gridと会合を持ちながらブラッシュアップを進めています。

海外のグリーンIT推進団体との連携は進んでいますか。

 2008年5月に,Green GridとClimate Saversコンピューティング・イニシアチブの2団体とグリーンITの推進で提携することに合意し,Memorandum of Understanding(MOU)を交わしました。これら2団体が目指しているのは,主に機器自体の省エネ,いわゆる「Green of IT」の取り組みです。一方,ITを活用し,事業活動や社会インフラの省エネを目指す「Green by IT」の取り組みについても,米国の業界団体であるDESCと連携することが決まりました。CO2削減効果という面では,Green of ITよりもGreen by ITの方が期待度が高い。それだけに,今後は国内のテレワークやITS(高度交通システム)の業界団体とも連携を深め,Green by ITの推進策を掘り下げていく方針です。

 もう一つ,海外との連携という意味では,アジアに注目していきたい。それというのもアジアには,中国やインドなどの新興工業国があり,地球規模の温暖化対策では,これらの国々が非常に重要な位置を占めている。このため2008年は,インド,ベトナム,マレーシア,シンガポール,台湾などの工業会を訪問し,グリーンITについて協議しました。今年はアジアとの連携をさらに加速させたいと考えています。

◎「グリーンIT推進協議会 成果報告会」詳細