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団結して犯罪者と闘う時期に

企業のセキュリティは今、どのような状況にあるとみているか。

 脅威は増していますし、しかも多様になっています。いわゆる「マルウエア(犯罪を目的として開発されたプログラムの総称)」は非常に高度になってきていますし、ある推定によるとマルウエアの数は正規のプログラムより多い、とすら言われています。

 しかも犯罪者たちは非常に効果的なエコシステムを築いています。例えばWebサイトなどをアタックして、口座番号やIDを不正に入手する犯罪者がおり、その犯罪者から個人情報を購入する別の犯罪者がいます。彼らは本当に、実にうまく連携します。

 犯罪者のエコシステムから身を守るために、我々はもっと効果的なエコシステムを築かなければなりません。創意ある協業が必要です。例えば、各業界ごとに、セキュリティに関するベストプラクティスを交換し、犯罪者に関する情報を交換し合う。官公庁同士、官公庁と企業の間でも同様のエコシステムが必要です。

 その一方で、セキュリティ対策ソフトウエアを開発する企業同士が協力しあって、各技術がうまく連携するようにしなければなりません。これもまた一つのエコシステムです。もはや政府がセキュリティポリシーを決めている時期ではありません。犯罪者に対抗し得る複数のエコシステムを確立するときなのです。

ITが発達することによって、犯罪が増えているという指摘をどう考えるか。

 確かに、犯罪者たちのエコシステムはITなくして成立しません。今回の金融危機について、これまで扱えなかった大量のトランザクションをITによって高速に処理できるようになったからこそ起きた、と批判する人もいます。しかし、どのような技術であっても、プラス面がある一方で、悪用する人が必ず出てきます。

 それでも私はITについてはオプティミスト(楽天家)です。金融危機の以前に、IT企業が原因となった不景気がありました。それでも、インターネットを使ったオンラインサービスは広がり続け、Webアプリケーションも増え続けています。こうしたITによって、我々が生産性を飛躍的に高めたことは疑いありません。今回の金融危機から発生した不況を乗り切るためにも、ITは必須と言えるでしょう。