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来年には改正省エネ法も施行されます。

 省エネの観点から見て、データセンターの統一した設備にシステムを置いたほうが、効率的に電力を利用できるという視点が強まる可能性はありますね。設備を安全に運用できることはいうまでもありません。

受託開発の事業についてはどうですか。

新野 和幸(しんの かずゆき)氏
写真・柳生 貴也

 専門分野に特化してきます。そのために組織を変えました。

 昨年ですが、自動車産業向けのソフトを開発する部隊と自動車以外の製造業向け、金融機関向け、中堅・中小を含めたその他向けの四つを中心に、受託開発の組織を再編しました。

 自動車産業向けの部隊は、組み立てメーカーと部品メーカーがお客様です。基幹システムの構築だけでなく、生産ライン、カーナビなどの組み込みソフトまで、垂直統合で請け負うのです。

 以前は、情報システム本部、制御システム本部、基盤システム本部などに分けていました。情報システム本部は案件があれば業種に関係なく手掛けていました。

提案の手法も変えると聞きました。

 ソリューションをパッケージ化して我々の強みを明確に示していきます。依頼があったものを開発するだけでなく、お客様に対して新たな価値を提供できる会社だと認識してもらうためです。

 自動車関連の開発は36年間にわたって続けてきましたから、業務を理解しているという自信があります。ですがその他の製造業や金融機関に対しては、まだそこまでのノウハウはありません。

 特化しようとする領域に関しては、もっとノウハウを蓄えます。

パッケージを使ったソリューションで好調なものはありますか。

 マイクロソフトのCRMソフトである、Microsoft Dynamics CRMがそうです。顧客だけでなくさまざまな関係者を管理するソリューションとして、お客様の関心が高まっています。

 一昨年から扱っていますが、昨年の暮れくらいから様子が変わってきました。景気が悪くなって、お客様との関係がどうなっているのか、あるいは営業の状況がどうなのかを知りたいといったニーズが高まっているのでしょう。CRMがはやったのは5、6年前だと思いますが、また盛り上がってきました。

物流関連でも注力しているソリューションがあるそうです。

 RaLC(ラルク)です。今はどの企業も物流コストを削減するかに力を入れていますから。

 一昨年、RaLCを開発していた企業を買収したのですが、成果が出てきました。案件はかなり増えています。

 できれば来年に、英語版を作って海外展開したいと考えています。日本の企業は海外に物流センターを持っていますから、ここへの導入を狙うのです。

2010年1月期の連結業績を大幅に下方修正されました。売上高が532億円から500億円に、営業利益も26億円から9億円に変わりました。

 受託開発の売り上げが落ちているのが最大の原因です。組み込みソフトの分野で、製造業が製品開発、設備投資をやめたことが影響しました。

 受託開発は事業のベースですが、短期間に大きく成長する可能性は低くなっています。以前から事業転換を進めてきたのですが、まだまだ十分ではなかったと反省しています。

これからの景気の見通しはどうですか。

 先行きはまだ不透明です。製造業のIT投資がどうなるかがかぎです。秋口以降少しずつ回復して、完全に元に戻るのは、早くても来年に入ってからではないでしょうか。

利益を確保するにはコストを見直す必要もあります。開発の効率化などで手を打たれましたか。

 分業です。オフショア、ニアショアをもう一歩進めたい。

 当社は、福岡、大分、上海に子会社、宮崎に事業所、それ以外の地方に、いくつかの拠点があります。東京、大阪、名古屋の事業所とこれらの拠点の役割を見直しました。

 東名阪の事業所の人間はお客様と会話して、商談を見付けて企画、設計する。運用業務もありますが、上流にシフトします。製造工程についてはその他の拠点が受け持つ。始めたばかりですが、分業することでそれぞれの役割がはっきりしてきました。

シーイーシー 代表取締役社長
新野 和幸(しんの かずゆき)氏
1954年生まれ。76年に工学院大学を卒業し、同年にシーイーシーに入社。96年にネットワークインテグレーション事業部副事業部長、97年に取締役に就任し、2003年からITサービス本部長を務める。04年に執行役員を兼務し、05年に代表取締役社長に就任。

(聞き手は,中村 建助=日経ソリューションビジネス編集長,取材日:2009年6月25日)