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かざすクーポンで革新,簡単・使いやすさを追求

デジタルマーケティング分野における優れた企業活動を表彰する第1回「日経ネットマーケティング イノベーション・アワード」の大賞を、日本マクドナルドの「かざすクーポン」が受賞した。同プロジェクトを担う宇井上席部長に、現状や成功要因、今後の展開を聞いた。

ケータイを使って情報入手から注文、決済までできる「かざすクーポン」の提供を始めた経緯は。

 日本マクドナルドがモバイルを使い始めたのはかなり古く、2002年。そのころの端末は画面もモノクロで低速だったが、単発のキャンペーンから始めた。その中で、店舗を主体としたBtoCビジネスではパソコンよりもモバイルの方が親和性は高いと感じた。ユーザーが端末を持ち運び、店舗のその場で使う。そこで、2003年7月から「トクするケータイキャンペーン」ということで常設サイトを設け、(クーポンなどを配布する)会員サービスを開始した。

 一般に100万人超がクリティカルマスといわれるが、最初の100万人までは3年ぐらいかかった。その後、大ブレークして現在1400万人まで来ている。当初はメールなどで新製品を知らせる一方通行の情報提供だったが、そこに原田(泳幸・代表取締役会長兼社長兼CEO)らが加わり、本格的に進めることになった。そうして店員に見せて使う従来型の「見せるクーポン」から、「おサイフケータイ」を使ったインタラクティブなかざすクーポンに発展した。

かざすクーポンへの移行を進める狙いは。

 大きく、「マーケティング」「オペレーション」「電子マネー」の3つがポイントだ。

 マーケティングに関しては2つ。まず、スピードアップとそれに伴うコスト効率の向上だ。紙メディアよりもWebメディアの方がすぐに直せて、折り込みチラシなどと比べてスピードもコストも驚くほど改善される。もう1点は、購買履歴を活用したCRM(顧客情報管理)によって新しいマーケティング手法を開発することだ。

 購買データを使ったCRMの面では、マクドナルド(の事業形態)は「BtoBtoC」で、商品を製造する最初のBと、販売する真ん中のBの両方をやっている。真ん中のBは、誰が何を買ったか分からない「非会員ビジネス」だ。一方、航空会社やレンタルビデオなどのいわゆる会員ビジネスでは誰が何を買ったかが分かり、マーケティング手法が全く変わる。我々は非会員ビジネスを手掛けてきたが、(顧客データを基に電子商取引を行う)かざすクーポンを使うと、部分的ではあるが、年間数千万レコードという単位でCRMが可能になる。そのデータを基に、新しいマーケティング手法を作ったり、分析したものを経営指標にしたりすることができる。

 2つ目のオペレーション面。まず、かざすクーポンで電子マネーを使って決済すれば、店員が「1万円入ります」というような対応が無くなりオペレーション効率が向上する。かざしてオーダーすることも接客時間の短縮になり、さらに効率が上がる。

 3つ目は(マクドナルドが目指している)「スーパーコンビニエンス」という観点。小額決済で便利な電子マネーがどんどん普及していくかもしれないため、それにいち早く対応するという意味がある。