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 Linuxの創始者でリナックス・ファウンデーションのフェローであるリーナス・トーバルズ氏が8年ぶりに来日した(関連記事)。WebサイトのITproを通じて読者から質問を集める“オープンアプローチ”を試みた。日経BP社のIT関連メディアである日経コンピュータ,日経 SYSTEMS,日経Linuxにそれぞれが関心のあるリーナス氏とのやりとりを掲載。そ雑誌に掲載しきれなかった部分もあわせて,インタビューの全文を一週間にわたりITproで公開する。
 第1回と第2回は日経コンピュータが関心を持つ分野の質問への回答を掲載する。企業利用について「Webにとどまらず基幹となるサーバーシステムにも浸透している。徐々にデスクトップにも広がるだろう」という認識を示した。(聞き手は谷島宣之=日経コンピュータ編集長、中井奨=日経コンピュータ編集、高橋信頼=ITpro編集)

Linuxの開発を見習って、このインタビューは“オープンアプローチ”で進めます。WebサイトITproを通じ、「リーナス・トーバルズ氏に聞きたいこと」を読者から募ってきました(関連記事:「Linus Torvalds氏に聞いてみたいこと」を教えてください)。

 何でも聞いてください。ベストを尽くしますので。

Linuxはいわゆるコンピュータにとどまらず、携帯電話や家電にも搭載されています。それでは企業における普及についてどう見ていますか。

 企業といっても広いですね。どの分野に関する質問ですか。

まず、サーバーです。これでも広いですね、Webに使うフロントエンド、企業情報システムを支えるバックエンドのサーバー、それからデスクトップ、といった分け方でどうでしょう。

 企業のWebアプリケーションサーバーにおいて、Linuxはかなり前、10年くらい前から利用されてきました。Web関連分野にLinuxは大きな影響を与えましたし、いち早く成功を収めたと思います。その後、フロントエンドの業務システムにおいてもLinuxは利用されるようになりました。

 有力企業の間でバックエンドのシステムにLinuxを採用する動きが目立つようになったのは、ここ2、3年の間でしょうか。いや、4、5年ほど前から同様の動きはあったかもしれません。現在、オラクルなど大手データベース・ベンダーや大手企業が、Linuxを主要プラットフォームの一つと評価しています。というわけで、フロントエンドだけではなくバックエンドの分野でもLinuxは大きな存在となるはずです。

 サーバーについては、スーパーコンピュータにまで利用されていますから、大変な浸透ぶりです。一方、デスクトップの分野は最も入るのが難しいところです。

 理由はいくつかあります。過去には「Linuxの上で動くオフィス用ソフトがない」と言われました。今日、それは存在します。しかし、最も大きな理由は、企業でコンピュータを使っている人々の多くが、実はコンピュータを好きではない、ということだと思います。私たち開発者はコンピュータが大好きです。しかし、多くの人にとってコンピュータは仕事のためにやむを得ず使う道具に過ぎません。そうした人たちはデスクトップ環境が大きく変わることを好まないのです。

 とはいえ、徐々にデスクトップにLinuxは利用されてきています。あわてる必要はないでしょう。