PR

[後編]筋肉質のシステムへと変革中 クラウドの基盤は「売るほど」ある

その論理で言えば、クラウドサービスを提供できる事業者は限られてくる。

 通信事業者だと思いますよ、有力なクラウドプレーヤーは。

すると通信事業者ならどこも有力プレーヤーなのか。

 もちろん他社との差異化は、強く意識しています。ちょうど今、ホワイトクラウドの根幹でもある基幹システム「BACUSS(バッカス)」を、全面刷新している真っ最中なんです。課金や決済、加入受付業務を担う基幹システムで、4月に稼働させます。現行システムは日本ヒューレット・パッカード(旧DEC)製サーバー「AlphaServer」で稼働していて、これをオープン系サーバーに入れ替えます。

 加えてシステムそのものや運用の体制が「筋肉質」になるよう、プロジェクトを通して社内体制の見直しを進めてきました。まず2年半前くらいに、IT投資を回収する期間を30カ月にしろと、情報システム部門に命じました。一般に情報システムの減価償却には60カ月、つまり5年かけることが多いのですが、それを半分にしろというわけです。

 これは開発のスピードアップとムダな投資を抑えることの両方を狙ったものです。2年半前に情報システム部門の部長やマネジャーを集めて、「このスピードの時代にあって、60カ月で償却する間に仕様変更や追加投資の発生しないシステムなどあり得ない。そんなシステムを私は信用しない」と申しわたしました。

 とにかく早く作る。この方向へ、情報システムそのものや社内の開発体制を変えてきています。ですから通常の半分の30カ月で、利益をコミットするなり、コストダウンをコミットするなり、とにかくキャッシュで戻せと命じました。これが当社のゴールデンルールです。

IT部門に「職務経歴書」を出させる

 減価償却期間だけでなく、運用コストも半減しました。新システムの刷新に着手した3年前と比べて、運用コストは人件費も含めて半分にまで落としました。その間、利用者は5割増えています。

「ぜい肉」をそぎ落とした後に、「筋肉」がなかったら問題では。

 その通りです。今、筋肉を一生懸命付けているところです。2008年10月に、「A18M」と名付けて、情報システム部門の強化プロジェクトを始めました。After 18 Monthのことで、「18カ月間で生まれ変わろう」という意味です。通信3社の情報システム部員に対して、この3月末までに自分の価値を示す職務経歴書を提出するよう命じました。

 というのも、彼らがプロのエンジニアなのか素人なのかハッキリしないという問題意識が、私のなかにあったからです。我々の通信3社を合計すると、情報システム部門には850人ぐらいの正社員がいます。これに対して社外の協力ITベンダーのエンジニアは、開発、運用、保守を全部含めて1400人ぐらいです。

 一般的に言って企業の情報システム部門は、プログラミングの経験があったり、情報システムにすごい興味を持っていたりする人ばかりではない。当社でもそうですが、その企業に入社してたまたま情報システムに配属されるケースが珍しくありません。

 知らない間に10年、20年たって、「君は何ができるの」と言われてから、ハタと気が付く。経験値ばかり増えるが、それでいて自分を証明するものが何もない。程度の差こそあれ、どの企業の情報システム部門も同様な悩みを抱えているのではないでしょうか。