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[前編]使命は「第三の創業」 役員にダブルミッションを課す

8年ぶりの経営トップ交代だ。「使命は『第三の創業』」。新社長に就任した嶋本正氏は言い切る。これまでは野村証券やセブンーイレブン・ジャパンといった“超得意先”向けの仕事を中心に、成長を遂げてきた。だが、それだけでは限界。こうした危機意識から、新しいビッグクライアントの獲得に挑む。

社長就任の記者会見で、「第三の創業」に挑むことを宣言した。

 コンサルティングとシステム開発の二つを掛け合わせ、既存の事業を大きくしよう、ということです。これまでも、コンサルティングである「ナビゲーション」と、システム開発を指す「ソリューション」を組み合わせ、シナジー効果を生み出してきました。

 でも、十分ではない。まだ伸ばせる余地が多いのです。過去、コンサルタントとシステムエンジニアが連携できているプロジェクトはありましたが、「やろう」との掛け声だけで実践できていないケースもあった。当社の強みであるコンサルティング力を、うまく活用しきれていなかったと思います。

 コンサルタントとエンジニアが共同で、新しい顧客を開拓したり、新しい事業を創出したりしていく。こうした理想を実現するための仕組みや体制を作ることが、私の役目です。

役割や立場の違うコンサルタントとエンジニアが連携するのは難しい。

 確かに容易ではありません。コンサルティング部隊にとっては、コンサルティング事業を大きくすることがミッションです。

 ある顧客に向けてコンサルティングサービスを提供できれば、その後で何十億円ものシステム構築案件があろうとなかろうと、彼らには直接関係ない。コンサルティング事業本部にとっては、自分たちの売り上げや利益に、直結しませんからね。

 でもこうした考えでは、「ナビゲーション×ソリューション」は成立しません。コンサルタントやエンジニアが一体となって動けるような仕組みが必要です。

新たな得意先の候補は大手10社

具体的な方策は何か。

 新規顧客を獲得するための専門部隊を作り、提案活動を進める「プライムアカウント戦略」がそうです。大手ITベンダーのなかには、プライムアカウント制度を導入しているところがありますが、当社がこの制度を取り入れるのは今回が初めてです。

 これから関係を強化し、いずれ顧客になってもらいたい。すでにこうした企業を、グローバル製造業を中心に10社ほど選びました。各社とも国内の大手企業です。3~10年かけて、大きなビジネスを引き受けさせてもらえるような関係を作りたいと思っています。

 これを実現するには、ナビゲーション×ソリューションを実践する、つまりコンサルタントとエンジニアが共同で顧客開拓に当たることが得策です。

 これまでほとんど付き合いがなかったわけですから、大型のシステム案件をいきなり取れるはずはありません。まずはコンサルタントが、その企業の抱える課題を見つけ出す。合併・買収への対策や組織改革、業務プロセス改革、IFRS(国際会計基準)などの課題があるかもしれません。

 課題を発見したら、業務やシステムなどの面から解決策を提示し、実現する。ここは中身によって変わりますが、コンサルタントとエンジニアが共同で実施するところになります。

 プライムアカウントの獲得については、成果を急ぎません。1年後ではなく、3年後、5年後に大きなビジネスになるようなお客様です。だからお客様の話をじっくり聞く必要があります。

 先方の話を聞き、システム更改やアウトソーシング契約のタイミングなどを知り、どういう“仕込み”をしておけばよいか。これをコンサルタントとエンジニアに一緒に考えてもらいます。