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 日産自動車のIS部門であるグローバル情報システム本部は、IS部員のロール(役割)の一つとして、2007年に「BA(ビジネスアナリスト)」を定義。BAに必要なスキルや知識も明確に定義しており、本人の評価にもつなげている。グローバル情報システム本部で、BAに関する様々な活動を推進している山本泰司氏(エンジニアリングシステム部 部長)に、日産自動車におけるBAの位置付けやBA育成の取り組み、IS部門にとってのBAの意義などを聞いた。

(聞き手は平田 昌信=ITpro



山本さんのバックグラウンドを教えてください。

日産自動車 グローバル情報システム本部 エンジニアリングシステム部 部長の 山本泰司氏
日産自動車 グローバル情報システム本部 エンジニアリングシステム部 部長の 山本泰司氏

 1982年に入社して、最初はエンジニアとして、ラジエータやエアコンの設計を13年くらいずっとやっていました。その後は、「V-3P(Value up Innovation of Product Process Program)」と呼ぶ、自動車の開発プロセスの改革プロジェクトに携わっていました。2008年4月に、グローバル情報システム本部を兼務することになった際、プロセス改革の経験があることから、「IS部門の中でのBA(ビジネスアナリスト)のリーダー役」を行徳セルソCIOより拝命し、それ以降、BAに関するいろいろな活動を進めています。

V-3Pとはどんな活動ですか?

 自動車の開発プロセスには、「スタイリングフリーズ」というデザインの特徴を決める大きなマイルストーンがあります。このスタイリングフリーズから量産開始(SOP:Start of Production)までの期間をKPI(Key Performance Indicator)として、これを短くするという活動です。プロジェクトは2001年に始まりました。

結果はどうでしたか。

 以前は、スタイリングフリーズからSOPまで約21カ月かかっていました。これを、シミュレーションを駆使して実際に車を作って確認する回数を3回から1回に減らしたり、ベテランの設計ノウハウをコンピュータに取り込んで品質レベルを上げるといった方策で、半分の10.5カ月に減らしました。10.5カ月を最初に実現したのは、2005年の「NOTE」です。プロセスを短縮するためには、3次元CAD(コンピュータ支援による設計)データを用いたデジタルプロセスや解析CAE(コンピュータ支援によるエンジニアリング)を主要な方策に位置付けるとともに、フローチャートなどを使った工程分析を行い、プロセスの組み直しもいろいろ検討しました。

まさに、BA(ビジネスアナリシス)活動ですね。

 今思えばそうですね。設計変更も、従来より75~85%減らせましたし、開発コストもトータルで15%下げることができました。期間も半減できた。こうしたメリットを出せたので、現在は、このプロセスを全車に広げているところです。